“ひとすじの道を熱意をもって歩まれる若い方の奨励”を目的に、森光子さんの遺志によって新たに創設された「森光子の奨励賞」贈賞式が7日、東京都内で行われ、受賞者の中村勘九郎、中村七之助、プレゼンターを務めた萩本欽一、王貞治氏、黒柳徹子、石井ふく子氏ほかが出席した。

 贈賞式は千人を超す列席者のもと開かれた一般財団法人 森光子芸能文化振興財団主催の「森光子をしのぶ会」とあわせて開催された。創設年の今年は森さんと生前親交があったとして勘九郎と七之助が選ばれ、今後は毎年5月に開催していくという。

 勘九郎は「大好きな森光子先生の賞を第1回として頂けることを大変うれしく思っています。同時に恐れ多い。麻雀友達のうちの祖父と、母のように森さんを慕っていた父のおかげでこの賞が頂けたと思っています」とあいさつした。

 七之助も受賞について「まだ何回も続く賞だと思っています。いつかこの壇上で胸を張って祖父、父、森先生に『ちょっとはいい役者になれました』とごあいさつできるよう精進していきたいと思っています」と誓いを述べた。

 王氏は「一つとして同じ舞台、同じ試合はないという、心のつながるところがあったのではないかと思います。私の中で森さんは永遠の天女です。いつまでも心の中で舞っていてほしいと思います」と振り返った。

 また、舞台稽古の合間を縫って会場に駆けつけたという黒柳は、祭壇に飾られた森さんの遺影を見て「威張るようですが、この写真は『徹子の部屋』の写真です。国民栄誉賞をお取りになってお話をうかがったときのもので、この(笑顔の視線の)先に私がいるということだけお伝えさせていただいて」と和やかに語り始め、「今日、森さんの会に参加できてうれしかったです」と故人をしのんだ。