2017年10月に東名高速道路で発生した「あおり運転」による事故を受けて、需要が急拡大したドライブレコーダー(ドラレコ)の市場は18年も堅調に推移。全国の家電量販店やECショップからPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、1月1日~12月31日の年間を通してシリーズ別の販売台数シェアで1位を獲得したのはコムテックの「ZDR-012」だった。

ZDR-012は、エンジンをかけて約1秒で録画を開始する高速録画が売りのドラレコ。HDR/WDRで録画が可能なため、逆行に強く夜間であっても精細な動画が記録できる。集計期間中のドラレコ全体の平均単価は1万3530円だったが、ZDR-012は9487円。1万円を切る手ごろ感も受け、13.4%という高シェアを獲得するに至った。

注目したいのは、2位にランクインしている同社の「ZDR-015」。こちらの平均単価は2万2288円と全体の平均単価と比べて1万円程度高い。ベストテン以内で最も高い金額だ。特徴は、フロント+リアの前後2カメラのタイプであるということ。どちらのカメラも視界が広く、全方位の状況を記録することができる。より安全性を重視するユーザーが、ZDR-012よりもワンランク上の製品を求めて購入したと推測される。

あおり運転による脅威は東名高速道路の一件にとどまらず、その後も被害が多数報告されている。ドラレコの記録映像がテレビで放送される機会も多く、19年も需要が引き続き継続しそうだ。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などのPOSデータを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。