島根県。
「日本で47番目に有名な県」、「いいえ、砂丘はありません」など、“知名度のない県”を逆手にとって、自治体が自虐ネタのカレンダーを出して話題になったこともある。
出雲大社が有名……くらいの知識しかないが、島根にはいったいどんな魅力があるのか。どじょう掬い饅頭食べ放題につられ『どじょう掬い饅頭祭り』というややシュールな香りがするイベントに参加した。
どじょう掬い饅頭は元祖ゆるキャラ
会場となった「HAPPON新宿」は、地方の活性化や再発見をテーマとしたシェアオフィスで、今回のイベントにもぴったりの場所。今日の主役、どじょう掬い饅頭のキャラクターが、受付で待ち受けていた。
主催者曰く“ゆるキャラブームやカワイイ・ジャパンを先取りしたポップでキュートでミニマルなデザイン ” という可愛らしいどじょう掬い饅頭。なんと、今回は無料で食べ放題だという。会場には500個の饅頭が用意されたらしい。ひょっとこのつぶらな瞳の視線を感じる……。
味は、白あん、チョコ、抹茶、いちご、梨の5種類。かぶった手ぬぐいの色が、味の違いの目印となっている。
ちょっと可愛そうだが切断してみた。味はチョコと梨が人気。
どじょう掬い饅頭は、安来節(やすきぶし)にあわせて踊る“ひょっとこの面”をモチーフにした山陰地方の代表名菓。白あん入りのお饅頭で、手ぬぐいの水玉はフィルムが巻かれている。島根県・中浦食品さんの50年続くロングセラー商品で、山陰地方のお土産の定番になっているそう。
このとぼけた顔を見つめていると、なんだか不思議と癒される……。
会場には、どじょう掬い饅頭の味にぴったりお茶、島根の茶三代一(銀印)と静岡の平安桜花が2種類用意された。後味に感じるほのかな苦味が、白あんの甘さとマッチする。
お茶のセレクトは、自由大学「日本茶、コトはじめ」メンバーの小山さん。
小山さんによる、手際のいいお茶淹れパフォーマンス。急須のお湯を移し替える動作を繰り返す。そうすることで、濃さが均等になりお茶の香りが広がるそう。
さらに、どじょう掬い饅頭にあわせた島根の地酒も1杯500円で飲める。島根の地酒に詳しい、ライター&プランナーの江澤香織さんがセレクトした日本酒が並ぶ。
「酔い子の旅のしおり 酒+つまみ+うつわめぐり」「山陰旅行 クラフト+食めぐり」などの著書がある江澤さん。地方の酒蔵を巡るバスツアー「だめにんげん祭り」も主宰され、島根の地域復興にも一役かっている。しっかりしたコクと、お米の旨味が感じられるお酒がラインナップされた。