ことしいっぱいで芸能界を引退することを発表した歌手の森昌子が28日、東京都内で引退会見を行った。
冒頭で森は「2度目の引退ですので、本来であればこのような記者会見は非常に恥ずかしいのですが、3度目はございませんので」とおちゃめにあいさつした。
引退を決めた経緯については、「昨年の秋10月に還暦を迎え、これからの自分の残された人生はあとどれぐらいあるのかなと、真剣に考えるようになった。私は幼少期から自分に時間を使ったことが少なく、悲しいことに、思い出もそんなに多くない。芸能活動以外に時間をかけ、これからの自分の人生を大いに楽しんでいけるよう、大変勝手でわがままとは分かっているのですが、決断をいたしました」と明かした。
関係者に引退の意思を伝えたところ、最初は 「休養」を勧められたという。それでも「私も頑固なところがありまして、一度自分の決めたことですので」と、決意は変わらなかった。
還暦以外の理由もあった。「実は昨夏に私がデビュー当時からお世話になっていた方が亡くなりました。娘のようにかわいがってくれた方。私が休んでいた時も、長男、次男、三男が生まれた時もお祝いに来てくれたり、常に私を支えてくださった。その方の死というのは、やはりしばらく受け止めることができませんでした」と恩師を失った喪失感を吐露した。
最初に引退を伝えたのは同居している母。「3月13日の母87歳の誕生日に『お母さん、私ね、今年で歌手やめるから』という報告をしました。母は何でもお見通しなので『昌子、よく14年間頑張ってくれたね。ありがとね』と言ってくれました」と明かした。
「今回の引退理由も結婚では?」と聞かれると、「それはね。実はね…。無いです。ハハハハ!」と笑って否定。「前回の会見の方(前夫の森進一)に引退を伝えたか?」と問われると「なんてことを言うんですか! するわけないじゃないですか」とふくれて見せ、会場を和やかな笑いに包んだ。
森は1986年に歌手、森進一と結婚して引退。以後、長男でロックバンド、ONE OK ROCKのボーカル・Takaら3人の子どもを出産した。2005年に離婚。06年に芸能活動に復帰していた。