NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で、師の吉田松陰(伊勢谷友介)や友の久坂玄瑞(東出昌大)らを次々と亡くし、倒幕のための過激な行動に走る若きリーダー、高杉晋作を演じてきた高良健吾。高杉は6日放送分で無念の病死を遂げた。クランクアップ後の高良が、役者人生にも大きな影響を与えたという高杉役について振り返った。
-クランクアップの時はどんな心境でしたか。
寂しい、という感じでした。高杉自身にも「もしかしたら(日本の将来のために)もっとできたんじゃないか」という思いがあったのではないでしょうか。でもこのドラマでは、例えば至誠(この上なく誠実な心)という言葉や自分の命の使い方など、多くのものを得ました。彼らの志は多くの人に影響を与えています。彼らの言葉が、例え何年後であっても、「花燃ゆ」を見た人たちに影響を与えることがあれば、このドラマはすごく意味があると思います。
-高良さんご自身の「志」を初めて意識したのは?
この現場です。伊勢谷友介さんが演じた松陰先生に聞かれた時に「自分は何だろう」と考えました。「花燃ゆ」で言えば、高杉晋作という人物を最後までやり切るということでした。
-演技で大切にしたことは?
他の作品では奇兵隊を作って以降の高杉が描かれていることが多いです。自分は松下村塾に入る前からの高杉をやれましたので、何者でもない男から何かを成し得た高杉までを丁寧に演じました。奇抜でかっこいい面だけではなく、寂しそうな、繊細そうな面もやるべきだと思いましたので。
-高杉に関して新たな発見はありましたか。
発見だらけです(笑)。彼は全てをやり尽くしたわけではなくて、もっと世界を見たかったでしょうし、もっと武士として戦って死にたかったのではないかなと感じます。
-これからの役者人生に残るものはたくさんありそうですか。
彼らが至誠をもって人にも出来事にも当たってきたのと同じように、僕もこれから、いろんな撮影現場や頂いた役に対して至誠をもってやっていこうと思っています。
-撮影中は伊勢谷さんを中心に若い俳優さんが集っている感じが印象的でした。
この間、劇団ひとりさんの主催で松下村塾メンバーが集まって初めて飯会(めしかい)をやりました。まあ松下村塾とは違って、女性の話とかそういう議論でしたけど(笑)。
-東出さんとのシーンをはじめ、松下村塾の場面は見どころが多かったですね。
そうですね。ただ僕はきらきらとした青春に見え過ぎたら嫌だと思って、高校生のようなノリにならないよう気を付けました。「日本変えるぞー」という勢いだけのノリではなく、もっと切羽詰まっていて、このままじゃ駄目だという気持ちが見えるように演じていました。
-今後の「花燃ゆ」の見どころを。そしてブルーレイ&DVDではどう見ていただきたいですか。
後半は、美和(井上真央)の生きざまに注目してほしいです。DVDで振り返る時には、高杉が登場してから死ぬまでの成長を見てほしいです。確実に変わっていると思います。
ブルーレイ&DVD「花燃ゆ 完全版」第壱集は発売中、第弐集は12月16日発売。