(左から)小市慢太郎、市川実日子、倍賞千恵子、藤竜也、西田尚美、小林聖太郎監督

 映画『初恋~お父さん、チビがいなくなりました』初日舞台あいさつが10日、東京都内で行われ、出演者の倍賞千恵子、藤竜也、市川実日子、小市慢太郎、西田尚美ほかが登場した。

 本作は、人生の晩年を猫と暮らす老夫婦が、結婚50年目で初めてお互いの気持ちに向き合うホーム&ラブストーリー。

 藤が演じる無口で頑固な“昭和の夫”の世話を焼く妻を演じた倍賞は「昭和にはこういうお父さんがたくさんいたと思います。本当の藤さんはとても優しくて、すてきなお父さんですが、撮影のときは口もきいてくれないし、そばにいてくれないお父さんで寂しかったです」と振り返った。

 藤は「私もちょうど結婚50年ですが、この作品をやって、夫婦というのは50年連れ添っても、紙一枚で赤の他人になれちゃうんだなって思うとゾッとしました。気を付けなくちゃいかん」と話して、笑いを誘った。

 本作は、昨年5月に亡くなった星由里子さんの遺作となった。星さんへの思いを聞かれた倍賞は「(亡くなったのが)撮影が終わって一月ぐらいだったので、ものすごくびっくりしました。撮影中もそんなふうには見えませんでしたし、いつも背筋がピシッとして、スターってこうあるべきなんだなって思いました。お芝居もかみ合って楽しかったです」と語った。

 藤は「若大将の星さんだというのが第一印象でした。かつての大スターの女優さんとご一緒するときはミーハーになります。長生きしていて良かったなあって…」としのんだ。