『劇場版 MOZU』の公開初日舞台あいさつが7日、東京都内で行われ、出演者の西島秀俊、香川照之、伊勢谷友介、松坂桃李、池松壮亮、ビートたけし、羽住英一郎監督が登壇した。
本作は、逢坂剛氏の小説『百舌』シリーズを映像化したドラマの映画版。灼熱(しゃくねつ)の地ペナム共和国を舞台に、二つのテロ事件の捜査にあたる公安警察官・倉木(西島)が、最後の敵ダルマ(たけし)と死闘を繰り広げる様子を描く。
2年前のドラマから始まり、ついに本作でMOZUシリーズも完結を迎えた。主演の西島は「胸いっぱいで感無量です。これだけたくさんの人に温かく迎え入れられて震える思いです」と万感の思いを語った。
一方、映画版からの登場となったたけしは「浜ちゃんをやった西田敏行です。違うね。ひょっとこをやった森繁久彌です」といつも通りのボケを連発。
ようやく「ダルマをやりました。炎の中にさらされるだけの非常に役者冥利(みょうり)に尽きる役」と自己紹介したかと思えば「映画というのはお客さんに楽しんでもらうのが一番。この映画を見た人は、がんが治ったとか、月給が増えたとか、うそでもいいから書き込んでお客を呼び込んでください」と冗談を続けて、笑いを誘った。
また、北野武監督作品『Dolls』(02)に出演した西島は「当時無名の僕を抜てきしてくれた北野さんが、撮影が終わった時に『君の人生、多分これから変わると思うけど自分を見失わないで一生懸命やってください』と言ってくれた」とエピソードを披露。
西島は「その言葉をずっと胸にやってきた。自分が今こうあるのは北野さんのおかげ」とあらためて感謝を口にしたが、たけしは「俺は運良く漫才で売れましたが、その後講談社に殴り込んで前科一犯。交通事故で死にかけて、今では(週刊誌に)『老いらくの恋』って書かれていまして…。まあ、いくら有名になっても、私みたいな人生は歩まないでくれと。情けない…」と自虐コメントで返し、笑いを誘った。