「古くからのビジネス街である大手町・丸の内・有楽町の大丸有エリア、商業・飲食を中心とした銀座から日本橋に至る中央通り、そしてかなり集中的に投資された六本木といった地域がこれまで多くの人を集めてきた一方で、その外側に、東京スカイツリータウンやダイバーシティ東京といった新しい吸引力、磁力となる施設が現れ始めました」

5月22日(火)に墨田区押上に開業する「東京スカイツリータウン」は、「タワーのある街」をコンセプトに、東京スカイツリー、商業施設・東京ソラマチ、プラネタリウム、水族館、オフィスといった施設から構成される。東武鉄道によれば、東京スカイツリータウンの年間来客数は、東京ディズニーリゾートに匹敵する年間2500万人にのぼると予測されている。

「日本全体を俯瞰したときに、東京一極集中、東京のひとり勝ちだと言われてきた中で、東京の東側、いわゆる下町地域がその恩恵に浴していたとは言い難い。東京スカイツリー、そして東京ソラマチなど併設される施設の波及効果は、東京の中で地味な存在になっていた周辺の下町地域にも及ぶと見込まれています。押上・業平橋地区にまで人々の足を運ばせるようになった、非常にシンボリックなタワーだと言えます」(森野さん)

また、東京臨海副都心のお台場エリアには、4月19日にダイバーシティ東京が開業した。商業施設「ダイバーシティ東京 プラザ」とオフィスビルからなる複合施設で、国内外の人気ファッションブランドや大型エンターテインメント施設が出店する。

「臨海副都心開発として出来たお台場を、ダイバーシティ東京によって、都心から若者が集まる先端エリアに変えることができるか。そのためには、いまの都心の商業施設に飽き足らない都心の人々と、東京の近県の人々を集客し、リピーターとして取り込めるかどうかが大きなカギとなるでしょう」(森野さん)