2. ダッフィーの登場と人気の高まり
東京ディズニーシーを語るうえで欠かせないのが、大人気キャラクターとなった「ダッフィー」です。
しかし、ダッフィーもまた、登場した当時は「知る人ぞ知るキャラクター」で、グリーティングにも人がまばらだったのです。
ダッフィーはアメリカのパークで売られていた「ディズニーベア」をもとに、オリエンタルランドとディズニーが共同で開発しました。
どうしてもディズニーが手がけたイメージが強いのですが、オリエンタルランドの社員の方のアイディアが生かされているのです。
ダッフィーの人気に火が付くきっかけになったのは、2008年に行われた東京ディズニーリゾートの25周年イベントだと言われています。
この頃から、ダッフィーのぬいぐるみを買って、パーク内を抱っこしながら歩くゲストが増えていったのです。
ちょうどファンキャップやカチューシャを身に着けたり、Tシャツを着たりする感覚と同じように、ダッフィーを持ち歩くのがパークの楽しみ方の一つになりました。
また、メディアでダッフィーが取り上げられたり、フィギュアスケートの浅田真央選手に、ダッフィーのぬいぐるみが贈られたりしたことも、ダッフィーの人気が高まるきっかけになりました。
ダッフィーは東京ディズニーシーの中にあるショップでしか、買うことはできません。
ダッフィーの人気が高まったことにより、グッズを買い求めるために、東京ディズニーシーを訪れるゲストが増えていったのです。
結果的にダッフィーは、これまで東京ディズニーシーを避けたり、訪れなかったりしたゲストを、パークに呼び込むきっかけを作り出しました。
3. スペシャルイベントの共通化
東京ディズニーシーが東京ディズニーランドとの差別化を図り、結果的に入園者数で苦戦してしまった、というのは先ほども触れたとおりです。
開園当時、東京ディズニーシーでは東京ディズニーランドと異なり、大人向けのスペシャルイベントを開催してきました。
しかし、最近では東京ディズニーランドと同じスペシャルイベントを行い、東京ディズニーシーらしさを打ち出す方向に変わってきています。
これは同じイベントのほうがグッズ展開がしやすい、というのも理由としてありますが、ゲストが「こんなイベントかな?」と想像しやすいのも、理由の一つだと考えられます。
どんなイベントか、その内容が想像できないものよりも、「ハロウィーン」や「イースター」といった、想像しやすいイベントであれば、その分ゲストの足もパークに向きます。
東京ディズニーシーの場合は、クリスマスは2002年から、ハロウィーンは2009年からスペシャルイベントとして開催しています。
また最近では七夕(2014年~)やイースター(2015年~)も、東京ディズニーランドと同じように行っているのです。
今後は同じスペシャルイベントでも、東京ディズニーランドらしさ、東京ディズニーシーらしさを打ち出して、集客していくのでしょう。