左から加藤社長と握手する吉澤副社長
NTTドコモは5月13日の取締役会で、加藤薰代表取締役社長が退任し、後任に吉澤和弘副社長が就く役員人事を決議した。6月16日の株主総会と取締役会で正式に決まる。加藤社長は取締役相談役に就任する予定。
都内で記者会見した加藤社長は、iPhoneの販売や「ドコモ光」の導入、スマホ向け放送局「NOTTV」のサービス終了などを印象に残る事業として挙げ、「通信事業者としての使命と、新たなビジネスへの夢に挑戦した4年間だった」と、在任期間を振り返った。
このタイミングでの社長交代に関しては、「モバイルの回復やコスト効率化の進展などで、着実に景気回復の道が見えてきた。こういう時に新社長にバトンタッチできることに安堵している」と語った。吉澤副社長については、携帯電話黎明期に、上司と部下の関係でショルダーフォンの実用化に努めるなど「かなり古くからの関係」といい、「経営企画や法人営業など幅広く重要な分野の責任者を歴任した。経験は豊富で、社内で右に出る者はいない」と紹介した。
社長に昇格する吉澤副社長は、「厳しい競争と変化が激しいモバイル業界に対応するため、ドコモの基地局のアンテナのように、社員ひとりひとりが高感度でなければならない。どんな状況でもあわてず、騒がず、本質を見失わないように事業運営していきたい」と抱負を述べた。
経営上で重要視する項目について、「サービスの創造と進化」「+dの促進」「あらゆる基盤の強化」の三つを掲げ、「入社以来、モバイル通信の進化と発展に情熱を注いできた。デバイスの進化やネットワークの高度化、ソフトウエアの進展を加速させ、さらなる付加価値をお客様に打ち出すことが私の使命だ」と力を込めた。
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