人気俳優のブラッド・ピットが初めて宇宙に挑み、『メン・イン・ブラック』シリーズや日本のCM でもおなじみのトミー・リー・ジョーンズをはじめとする豪華な共演陣が話題となっている『アド・アストラ』が、9 月20 日(金)から公開される。本作で製作・主演を務めたピットが、本作の製作がこれまでで一番大変だったことを明かした。
本作は、ピット演じる主人公ロイ・マグブライドが、宇宙の彼方で消息を絶った父(ジョーンズ)と、その謎の“答え”を探すために宇宙へと旅立つ、衝撃の救出ミッションを描いたエンターテインメント大作。愛する者を地球に残し、かすかな父の情報をたどりながら、広大な宇宙へと旅立つ先にロイが見た真実とは…。
ピットは「編集の段階になったとき、本作はこれまで僕が関わった中で一番大変な映画になったんだ」と語る。
と、いうのも「とても繊細な編集が必要だったんだ。ナレーションのたった一行、そして音楽の出だし一つのタイミングのずれで、全てが台無しになる。もとに戻って初めからやり直さなければならなくなったんだ。全編を通してずっとそうだった。その点でとても難易度が高かった」とその詳細を明らかにした。
ピットは、これまで自身の製作会社プランBエンターテインメントを通してさまざまな作品を手掛けてきた。『キック・アス』(10)や『ワールド・ウォーZ』(13)などのエンターテインメント作品から、『それでも夜は明ける』(13)や『ムーンライト』(16)などのオスカー受賞作品まで、そのジャンルは幅広く、今やハリウッドになくてはならない製作者の一人となった。
そんなピットをして、“最も困難だった”と言わしめた本作は、超緻密な編集を経て遂に完成。初公開となった第76 回ベネチア国際映画祭での公式上映では、ピットたちの苦労のかいあって、名だたるメディアから絶賛の評を受けた。
ピットにとって、このチャレンジの旅は、困難であると同時に非常に得難い経験だったという。
ピットは「出発した時点では、本作がどんな映画になるか分からなかった。2時間の映画という形式で伝えるには非常に難しいアイデアだったから。でも、僕には驚きだったんだけど、困難であったと同時に楽しくもあったんだ。何もかもがどのようにやるべきかが正確に分かっていたら、それでおしまいだからね」と、製作の旅路を振り返った。
(構成/田中雄二)