「サービス開始当時、ケータイコンテンツは男性向けのものがほとんどでした。そんな中、生理周期の管理など女性の悩みに寄り添ったサービスを提供したことで、女性ユーザーにもコンテンツの利用を促すことができたと考えています。また、女性誌やテレビなど、それまでケータイコンテンツを利用していなかった女性にも目に触れる機会が多い媒体でのプロモーションが、多くのユーザー獲得に繋がりました」
日本で女性ユーザーの心を掴んだノウハウを活かして、台湾で有料アプリのサービスを開始した『ルナルナ』。3月からは、日本でも多くのユーザーを獲得するきっかけとなったテレビCMなどもスタートする。
今回、本格的な海外展開に乗り出した経緯として、世界的なスマートフォンの普及があると丸山さんは話す。
「従来の日本独自の携帯電話では、海外でも同じようにコンテンツを展開することは困難でした。しかし、スマートフォンの普及によって世界との隔たりがなくなり、海外展開が容易になりました。また、スマートフォンの移行期である今が、海外展開には絶好の機会であるとも考えています」
だが、スマートフォンの普及によって、すべての障壁がなくなったわけではない。欧米ではダウンロード課金が一般的で、日本のように月額制を導入することは難しいのが現状だ。
「台湾から海外展開をスタートした理由のひとつには、月額制が普及していることがあります。女性の生理に対する意識も日本と似ているため、受け入れられやすいはず。今後は日本と文化が似ているアジア圏を中心に、海外展開を進めていきたいと考えています」
世界的なスマートフォン化で、日本独自の進化を遂げてきたケータイコンテンツは新たなステージを迎える。