「Perfumeは『近未来型テクノポップユニット』というコンセプトを打ち出したメジャーデビュー以降、年々オートチューンによる歌声の加工が抑えられ、PVなどのビジュアルイメージもナチュラルになっていく傾向が目立ちました。しかし、レコード会社移籍後の第一弾シングル『Spring of Life』のPVでは、メンバーがケーブルにつながれたアンドロイドとして登場します。海外に向けて初めてプレゼンする現段階では、このような無機質で人工的なキャラクター付けは有効だと思います」
このPVのビジュアルから想起されるのは、海外でも人気のアニメ『攻殻機動隊』、そして80年代に海外で受け入れられた日本人ユニットYMOだと円堂さんは言う。YMOはアメリカでのデビューアルバムを発売する際、国内版からジャケットを変更、頭に電線を生やした芸者のイラストで発売した。
「背中にケーブルを生やしたPerfumeは、日本のテクノポップの伝統に習い、テクノロジーの国としての日本のイメージを背負い海外へ向かう。かつてPUFFYが海外でアニメになり人気を得たように、Perfumeもキャラクター的な存在として受け入れられる方向に可能性を感じます」(円堂さん)
さらに、海外のテクノ系アーティストに楽曲のリミックスを依頼するなど、海外の音楽シーンと積極的に繋がっていく展開も考えられると円堂さんは語る。かつて日本でも、アイドルファン、テクノポップファンなどさまざまな層から支持を受けることで、人気を拡大させていったPerfume。海外においても、アニメやゲームといった日本のポップカルチャーファンを取り込むと同時に、音楽ファンにもアピールする、といった多面的な戦略が成功のカギを握りそうだ。
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