生きるのは大変だ。なにしろ生き物はすぐ死ぬし、死にたくなくても死んでしまう危険も多い。あと自分から死にたくなったりすることもけっこう多い。「死にたくなる」が大げさなら、働きたくなくなったり、学校に行きたくなくなったり、朝起きたくなくなったり。スキさえあれば、生きることの困難さや煩わしさから目をそらしたくなる。

こういうときにすごく有効なのが芸術や娯楽だ。映画でもマンガでも音楽でもアイドルでもなんでもいい。「これがあれば生きていける」と思わせてくれたり、そこまでいかなくても、仕事行こうとか朝起きようとか明日もがんばろうとか、一瞬でも前を向こうと思わせてくれるものをひとつでも見つけることができればとても生きやすくなるし、何においてもそういうパワーがより求められる時代になっていると思う。

じゃあどうやったらそんなパワーを持ったものを生み出せるのか。まず大前提として表現者側の「生きっぷり」が問われる。次にその「生きっぷり」を作品だったりパフォーマンスに表現できる才能や能力が必要になる。「生きっぷり」は必ずしも前向きハツラツでなければいけないなんてことはなく、むしろそこでどんな生き様を提示できるかが、表現の個性になっていくのだと思う。

長々とうっとうしい前置きですみません。発売中のチャットモンチーの新曲『ハテナ』がすごいのだ。