「僕らの音楽は聴いてくれる人の中で生きて初めて、完成するものだと思ってるんですよ。その根本は路上の頃からまったく変わってないです。震災後、『ゆずの音楽で救われました』という声を数多く聞く機会があり、そうした想いがさらに強く自分を駆り立てているところはありますね」(北川悠仁)

2011年春以降、彼らの曲がリクエストされてラジオでかけられるケースも目立った。この事実も彼らの歌とリスナーとの距離の近さを示している。

「震災以降、いろいろな場所で歌う機会が増えたんですが、使命感みたいなものの裏側には聴いてくれる人の存在があるんですよ。『聴かせてくれ』という人がいるからこそ、『じゃあ歌わせてくれ』ってことになって、ライブが成立する。去年はそんなことを教わった気がします」(岩沢厚治)