深田晃司監督(左)と土村芳

 ドラマ「本気のしるし」のクラウドファンディングのコレクター向け上映イベントが16日、東京都内で行われ、ヒロインの葉山浮世を演じている土村芳と深田晃司監督が上映後にトークショーを行った。

 本作は、『淵に立つ』(16)、『よこがお』(19)などの映画で世界的に評価される深田監督が、連続ドラマ初挑戦で星里もちる氏の同名コミックを映像化したもの。人当たりがよく、仕事はできるが、どこか冷めた面を持つ会社員・辻一路(森崎ウィン)が、不思議な魅力を持つ浮世との出会いをきっかけに、人生を狂わせて行くさまを、深田監督ならではの緊迫感あふれる演出でつづる。

 今回上映されたのは、全10話のうち、中盤のエピソードに当たる第4話から第7話まで。上映後のトークショーでは、オーディションで浮世役に決まった土村が「『受からないだろう』と思っていましたが、深田監督に『私という役者もこの世に存在しております』とアピールする意味も含めて受けさせていただきました。『決まった』と聞いたときは、本当にびっくりしました」と語った。

 これに対して深田監督は、浮世は無意識に男性を誘惑、翻弄(ほんろう)する難役なだけに「キャスティングは難航する」とあらかじめ予想したという。

 そして「浮世のせりふを、恋愛の駆け引きではなく、ナチュラルに本心から言っているように見える俳優を探していた」と明確な選考基準を持っていたものの、案の定、ふさわしい役者がなかなか見つからなかったという。そして、「時期的に『もう決めないとやばい』という最後のタイミングでお会いしたのが、土村さんでした」と打ち明けた。

 浮世役に決まった後、土村は「演じる以上は、浮世の一番の味方でいられるように」と原作を読み、キャラクターに対する理解を深めたという。その一方「今頃、私は何人の女性を敵に回しているんだろう」と思ったという。

 最後に土村が、第8話以降の見どころについて「さらに目まぐるしさが増していきます。原作を読んでいる方にも、原作との違いを楽しんでいただけると思います」とアピールした。

 ドラマは、メ~テレ、テレビ神奈川で放送中。TVer、GYAO!で第1話から最新話まで見逃し一挙配信中。