5月10日――つまり、このデビュー20周年記念日に、Mr.Childrenは11年ぶりのベスト・アルバム『Mr.Children 2001-2005〈micro〉』と『Mr.Children 2005-2010〈macro〉』をリリースした。
今回のベスト・アルバムには、“肉”と“骨”とは打って変わって、混迷から抜け出し、Mr.ChildrenがMr.Childrenであることをアイデンティファイしていった=ダイレクトに時代の像を映し出し、躍動させるアクチュアルなポップ・ミュージックを創造していくことが、そして、その楽曲群がリスナーの物語と同化していくことこそが、バンドの最大の喜びであるという答えにたどり着いていく季節の代表曲が収められている。
Mr.Childrenが「POPSAURUS」というテーマを掲げるのは、“肉”と“骨”のツアー・タイトル以来である。明らかに11年前とは異なる、タフなポジティヴィティに満ちたモードで“ポップの恐竜”と化して、20周年を迎える意味はあまりに大きい。
つい前置きが長くなってしまった。場面を京セラドーム大阪に移そう。言わずもがな、超満員のオーディエンスで埋め尽くされた場内(平日のドーム公演にも関わらず、会場にたどり着くまでに“チケット譲ってください”と書かれたボードを持って立つ人を何十人と見かけた)。4万人の大きな期待感と少しの緊張感が入り交じった形容しがたいムードは、場内の暗転とともに轟音の大歓声に変わる。ヴィジョンに映し出されるオープニング映像と、それとともに動き出し、光を放つ(つまり照明としても機能している)“ポップ恐竜”の骨組みで構築されたステージ・セット。ものすごいスケールにいきなり圧倒される。