11年ぶりに増加に転じた全国企業の倒産件数

東京商工リサーチが1月14日に発表した2019年(1~12月)における全国の企業倒産件数は8383件(前年比1.7%増)となり、08年のリーマン・ショック以来、11年ぶりに前年を上回った。とりわけ地方の中小企業の倒産件数が前年を上回っており、人手不足による倒産も調査開始以来で最多の426件(構成比5.1%、前年387件)となった。

ただし、90年以降の30年間では90年(6468件)と08年(8235件)に次ぐ3番目に低い水準。負債総額も1兆4232億円(4.1%減)で前年より下回り、過去30年間で最小を記録した。負債10億円以上の大型倒産が185件(前年198件)と、2年連続で200件を割り込んだためという。中小企業の倒産件数が99.9%を占めている。

一方、全国9地区の地区別倒産件数をみると、北海道と中部以外の7地区で前年を上回った。関東で10年ぶり、近畿で2年ぶりに前年を上回ったほか、東北、北陸、中国、四国、九州の5地区が2年連続で前年を上回った。

産業別では、消費税率が引き上げられた影響で、サービス業が4年連続、小売業が2年連続で増加。復興需要や五輪需要で倒産件数の抑制役となっていた建設業も、11年ぶりに増加に転じた。製造業と情報通信業も10年ぶりの増加、人件費の高騰でドライバー不足が深刻化する運輸業も7年ぶりに増加した。

中小企業庁では、70歳を超える中小企業の経営者が25年に245万人に上り、そのうちの約半数の127万人(社)が「後継者未定」になると試算する。あるアンケート調査では、廃業した中小企業の約半分が黒字経営だったという。

・もう一つの「2025年の崖」、中小企業127万社が「後継者未定」で廃業!?(2019年9月27日掲載)

https://www.bcnretail.com/market/detail/20190927_138286.html

中小企業庁では、127万社が後継者がいないまま消失すれば、約650万人の雇用が失われ、約22兆円ものGDPの消失につながるとして、中小企業の事業承継を重要施策として集中的な支援に乗り出している。(BCN・細田 立圭志)

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