(左から)カエル男、大友啓史監督、小栗旬

 第29回東京国際映画祭・特別招待作品『ミュージアム』の舞台あいさつが1日、東京都内で行われ、大友啓史監督が登壇。イベント中盤には主演の小栗旬がサプライズで駆けつけ、会場を大いに盛り上げた。

 本作は、雨の日に起こる連続猟奇殺人事件の犯人でカエルのマスクをかぶったカエル男を追う沢村刑事(小栗)が、やがて絶望的な状況に追い込まれていくさまを描いたスリラーエンターテインメント。

 大友監督は「ご来場いただきありがとうございます」と満員の客席に感謝を述べつつ、「小栗くんは来ませんので、ご了解のほどを」と語った。

 釜山映画祭などでは「思った以上に熱狂してもらえてうれしかった」と反響の大きさに手応えを感じた様子で、これから見る観客には「原作が結構過激なので、どういうふうに“料理”したのかを楽しんでいただきたい。脂の乗った俳優の芝居合戦が見られると思う」とアピールした。

 続けて「小栗くんじゃないけど友達を連れてきました」とカエル男を呼び込んだ大友監督。その時、逆方向から、こっそりと忍び寄る小栗の姿が。驚いた大友監督は「やりやがったな。俺をだましたな」と関係者に言いながらも、「心強いね」と“助っ人登場”に大喜び。

 「監督、語ってるね~って(舞台袖で)見ていました」としたり顔を浮かべた小栗も、撮影を改めて振り返り「本当に自分でも見たことがない顔を(この映画で)見せてもらった。本当にカッコ良く撮ってもらったなと監督には感謝しています」と頭を下げた。

 イベントでは観客からの質問コーナも。小栗の大ファンという中国人留学生から“中国進出”を問われた小栗は「もちろんお話を頂ければすぐにどこへでも。日本に限らず、日中韓、インドネシアというようにアジアという枠で何か面白いものを作れたらと思います」と前向きに回答。

 また、役作りのために“監禁状態”まで経験したという小栗だが、「役から抜けるのに苦労したのでは?」という女性の質問には、「(監禁シーンが)年末の28日まで。それが終わってからの残り数日と、年が明けて三が日、もちを食い続けて役のことはすっかり忘れてしまいました」と笑わせた。

 映画は11月12日から全国ロードショー。