エントリー向けカメラのニーズはスマホに移り変わっているという

キヤノンは2019年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は3兆5932億円(前年比9.1%減)、営業利益は1746億円(49.1%減)、当期純利益は1251億円(50.5%減)。減収減益の要因は、景気減速の影響を受け、産業機器における顧客の投資抑制、収益性の改善に向けて構造改革を計画通り実施した結果としている。なかでもカメラ事業は、スマートフォンの影響から市場縮小が加速している影響を受けている。

セグメント別でみると、特にカメラを含むイメージングシステムが苦況に立たされている。同部門の売上高は8074億円(16.8%減)、営業利益は482億円(62.0%減)と大きく落ち込んだ。カメラの売上高は4668億円(21.5%減)と、見通しを79億円下回る結果になった。

カメラ事業の苦戦について、同社はスマートフォンの影響でエントリーモデルが縮小したことを要因にあげる。日進月歩で進化する高性能スマホのカメラ機能が、既存のカメラ市場に取って代わりつつあるようだ。市場の縮小はさらに加速する見通しで、20年は4345億円(6.9%減)と減収を予想している。

もちろん、収益改善策は講じる。同社はこれまで、2機種のフルサイズミラーレスと10本の専用レンズを市場に投入していたが、ラインアップを強化する予定だ。新開発のイメージセンサーと映像エンジンを搭載した高機能モデルを投入するという。あわせて、レンズのラインアップ拡充も図る。

また、安定的に推移しているプロやハイアマチュアユーザー向けモデルについては、収益性を維持するためにシェアを確保する方針。製品や製造ラインの改善が重要であるとした。今後は、最適化したリソースを、新コンセプトカメラ「iNSPiC REC」など、事業領域の拡大に向けて振り分けていくという。(BCN・南雲 亮平)

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