柴咲コウ(左)と堺雅人

 NHK大河ドラマの毎年恒例の「バトンタッチセレモニー」が25日、東京都内の同局内で行われ、放送中の「真田丸」で主人公・真田幸村(信繁)を演じた堺雅人と、来年の「おんな城主 直虎」に主演する柴咲コウが出席した。

 昨年9月に長野県でクランクインし、今年10月にクランクアップを迎えた堺は「本当に1年があっという間という感じでした」と振り返り、柴咲に「僕(幸村)の死んだ年にちょうど(直虎が)生まれたと聞いているので、真田とさほど時代も変わらない。本当に、毎日撮影が大変だと思いますが、頑張ってください」とメッセージを送った。

 柴咲も「『真田丸』もいよいよクライマックス。そのバトンを(この場で)引き継いで、これから皆さんに見ていただくと思うと、ますます身の引き締まる思いです」と語った。

 セレモニーでは、毎年、それぞれの作品に縁の深い土地の名産品を互いに贈り合うが、堺から柴咲に贈られたのは幸村が14年間の幽閉生活を送った「紀州・九度山の特産の柿」。一方、柴咲は井伊直虎の故郷である浜松の「たこ」を贈呈した。

 籠を受け取った柴咲が「立派な柿ですね」と驚くと、堺は「選りすぐりのものです。これでビタミンを取って頑張ってください」とエールを送った。一方、たこを受け取った堺は「すごい。(真田家の旗印)六文銭の模様まで」と感激しつつ「(近くの)代々木公園で上げます」と笑わせた。

 9月から撮影に入った柴咲は「これだけは聞いておきたいこと」として堺に「土日はお休みを取れますか?」と質問。堺は「一応取れました」としつつ、気分転換について問われると「しなかったです。集中もしていません。僕は(撮影中も)割とダラダラ過ごしていました。(スタジオでは)ご飯も食べられるし、お風呂も入れるし、日常ですね」とあっけらかんとコメントした。

 堺は柴咲に「ご飯をいっぱい食べること」とアドバイスを送ったほか、「この1年は、いろんな人に不義理をしていた。あいさつに行くべき人にもあいさつをせず。友達にも会わなかったし…。今、一生懸命友達に電話をして『友達をやめないでくれ』と言っています」と明かして苦笑した。

 「私もすでにそういう感じ」と嘆く柴咲に、堺は「だからこの1年間は(プラベートは)諦めたほうがいい」と語り掛け、笑いを誘った。

 来年1月8日にスタートする『おんな城主 直虎』は、井伊家当主の一人娘として生まれた直虎が、男の名で家督を継いで奮闘する物語。

 柴咲は「陣地の取り合い合戦などを見ていて面白いと思うし、小国ならではの、いろいろな知恵を絞って団結していく姿は見ものだと思います」とアピールした。

 「真田丸」も残すところ4回の放送となり、堺は「大坂の陣も佳境を迎えて、真田幸村の最後の勇姿が見られることになります」と予告。「今年は赤いかっちゅうを着て、充実した1年を終えることができました。皆さんも、真田幸村と共に1年を振り返りつつ、今年を締めくくっていただけたら」と呼び掛けた。