ビジネスノートというジャンル。「ニーモシネ」はギリシャ神話に出てくる「記憶の女神」の名が由来。
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ここ十年ほどを振り返りますと、日本で買うことの出来るノート関連製品の種類が急速に増加していることを実感します。またそれとともに、ノートが備えている仕様の一部に特徴を持たせ、使用目的や製品の性格をさらに際立たせたものも出てまいりました。罫線に工夫をこらして学生向けを意識したもの、表紙の色味やグラフィックスなど見た目に訴えるもの、素材感や紙質を吟味し使い手のライフスタイルに合わせたものなどが挙げられます。

そのようななか「ビジネスノート」というジャンルも最近明確になってきた感じがあります。落ち着きのある外観や、書きやすさを重視した紙質、あるいは機能的な罫設計といった、ビジネスシーンをサポートするいくつかの要素が織り込まれたノートです。スマートフォンなどと連携させ、ファイルの電子データ化を特徴とする製品も数多く登場しています。

ノートを横長方向で使う、マルマン株式会社の「ニーモシネ・インスピレーション」
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ダークグリーンとイエローの2色がX形に配された表紙デザイン。誰でも知っているあの「ZUANシリーズ」スケッチブックを生産しているマルマン株式会社は、スケッチブックで実績のあるワイヤ綴じの技術と、これもまたマルマンの看板商品である「ルーズリーフ」で培われた、筆記特性にすぐれた紙とを組み合わせた、ビジネスノートの製品シリーズ「ニーモシネ」を展開しています。控えめなブラックの表紙ゆえ売り場ではあまり目立たない存在ながら、熱心なファンそして女性ユーザーにも広く支えらているとのことで、ニーモシネはビジネスノートのスタンダード的な存在になっています。

このニーモシネのブランドを決定的にさせたのは、紙面を横長方向(=ランドスケープ)で使う「イマジネーション(A4判)」と「インスピレーション(A5判)」の登場でした。ビジネスにおけるアイディア出しやプランニングの作業に際し、スケッチブックのごとく横長のワイドな紙面を提供。伸びやかに文字や絵図を紙面に展開させる使い方を積極的に提案したのが、このふたつのモデルだったのです。加えて、用紙に備わったマイクロカットのミシン目で各ページを素早くキレイに切り離し、ドキュメントスキャナーにそのまま読み込ませるプランも広くユーザーに受け入れられたのでした。

 

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