村上虹郎(左)と小泉今日子

 シアターコクーン・オンレパートリー2016「シブヤから遠く離れて」のプレスコールが8日、東京都内で行われ、岩松了、村上虹郎、小泉今日子ほかが出席した。

 この作品は、2004年に蜷川幸雄さんの演出によって上演された戯曲を書き下ろした岩松自身が演出を手がけ、12年ぶりに再演。廃墟になった家に思いを残す青年と、蝕まれはじめた我が身を持て余す女の現前化しない愛の物語を描く。

 舞台出演2作目となる村上の主演抜てきについて、岩松は「誰がいいかとずいぶん悩み続けて、最後の最後に『村上虹郎』という人がいると周りから言われたのと自分で思ったのがほぼ同時」と、小泉にも相談したという村上は「じっくり何度もやらせてもらったはずだけど、意外とあっという間でした。そんな印象です」と稽古を振り返った。

 初演に続きマリーを演じている小泉は「12年前なので、どうしようと思って。あのころよりはどこか深くなっているかもしれないけど、自分では分からないし」と率直な気持ちを語り、「岩松さんが12年たって向き合って、より細かく深く演出なさってくれて、新しい役に挑戦している感覚のほうが強いです」と表現した。

 幼少時代の村上に会ったことがあるという小泉は「それからの成長の過程は全然会っていなかったので、突然青年になった虹郎くんが目の前に現れて、私と一緒にお芝居していることがちょっとした奇跡のような気がしてわくわくしました」と感慨深げで、「主役としての男気、男らしさを感じました。おばさんとしては、これからが楽しみかな」とちゃめっ気たっぷりにエールを送った。

 舞台は12月9日~25日に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演。