東京映画記者会(報知新聞社など在京7紙)が主催する「第59回 ブルーリボン賞授賞式」が8日、東京都内で行われ、映画『後妻業の女』に出演した大竹しのぶが主演女優賞を受賞した。
1975年度の第18回で新人賞、86年度の第29回で助演女優賞を獲得した大竹が、今回初めて主演女優賞を受賞。『後妻業の女』では、高齢の資産家男性をだましてお金を巻き上げる小夜子を恐ろしくも魅力的に演じ、日本を代表する女優として底力を見せつけた。
初受賞から42年の歳月を経てこの作品で初の3冠に輝いた大竹は「うれしいです。あれから何も変わっていません。新人賞を頂いた『青春の門』では、浦山(桐郎)監督に褒められたくて褒められたくて毎日頑張っていましたが、今回も大好きな鶴橋(康夫)監督に褒められたくて褒められたくて、一生懸命に頑張りました」と喜びのコメント。
続けて「『どんな役をやりたいですか?』とよく聞かれるのですが、何もなくて…。ただ一つ言えるのは、(いつか)映画でリアリティーのある皺のいっぱいあるお婆ちゃんを演じられるように。今も皺はあるんですが、ちゃんとそれも映してもらえるような役者となって20年後…、10年後かもしれませんが、またここに立ちたいと思います」と女優としての覚悟を口にした。
一方、授賞式では、主演賞に輝いた俳優が次年度の司会を務めるのが恒例となっており、今年は大泉洋と有村架純が担当。この日、大泉のマシンガントークで盛り上がる会場を目の当たりにした大竹は「厳かに進行する真面目な授賞式だと思っていたのに、全く違う雰囲気ですね」と圧倒されたようで、「この“笑い”を来年、私と(主演男優賞の)松山(ケンイチ)くんで取れるのだろうか?と心配で、賞を頂いた喜びが吹っ飛んでしまいました」と冗談交じりに語っていた。
この日は“本領発揮”でノリノリだった大泉。大竹から「(この作品を)見てないでしょ」と疑いの目を向けられるも「見ましたよ!」と主張し、「水川あさみちゃんと殴り合いのけんかをする場面では…」と劇中のシーンにも言及。しかし、大竹から「(ケンカの相手は)尾野真千子ちゃんです」とチクリと刺されてしまい、まさかの“失態”に「本当に飛行機の中で見たんですよ!名前の間違いは怖いな~」と絶叫していた。
第59回 ブルーリボン賞各賞受賞者
作品賞:『シン・ゴジラ』(樋口真嗣監督)
監督賞:片渕須直監督『この世界の片隅に』
主演男優賞:松山ケンイチ『聖の青春』など
主演女優賞:大竹しのぶ『後妻業の女』
助演男優賞:リリー・フランキー『SCOOP!』『聖の青春』など
助演女優賞:杉咲花『湯を沸かすほどの熱い愛』
新人賞:岡村いずみ『ジムノペディに乱れる』
外国作品賞:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(ギャレス・エドワーズ監督)
特別賞:『君の名は。』(新海誠監督)