1) 4人のアーティストの、登場方法の違い
まず注目したいのが、ショーのオープニング。
2015年は「これぞ我が軍!」と言わんばかりに、4人のアーティストが別々の船に乗って姿を現しました。
ところが、2017年は4人が同じ船に乗って登場します。
実は2015年の公演の終盤、仲直りした彼らは船を乗り換え、4人でひとつの船に乗って帰って行ったんです。
今回も同じ船に乗って登場することで、「たまには言い争うけど憎めない仲」という、前回の終わりのシーンから変わらない友情が存在している様子を示しているのでしょう。
2) ヒューゴーの決めゼリフを遮るグローリア
ショーの中盤に出てくる、ミステリアスアイランド出身の"ヒューゴー"の発言と、アメリカンウォーターフロント出身の"グローリア"の二人のやりとりにもご注目。
「ファッションは時代がつくる! そして時代はこの俺が…」
「はいはい、もう時間よ!」
ヒューゴーの発言を遮るグローリアの声だけを聞くと、「ヒューゴーなんかのために時間を割くくらいなら、私がもっとしゃべりたい!」という彼女の思いが見える感じがしますね。
その解釈も正しいとは思うのですが、実は2015年、ヒューゴーは自分の自己紹介の際、独特の熱気あふれる言い方でこんな発言をしたんです。
「ファッションは時代がつくる!
そして時代は俺がつくる!」
一昨年のこの発言の存在を鑑みると、グローリアがヒューゴーの会話を遮ったのは、単にでしゃばりたいからだけではないのかもしれません。
前々から何度も繰り返し、この熱苦しいヒューゴーの発言を聞いていたからこそ、飽き飽きとして思わず遮ってしまったとも考えられますよね。