■有名漫画が911テロを予言? 『ジョジョの奇妙な冒険』 作:荒木飛呂彦
ジョジョの奇妙な冒険 20 爆弾仕かけのオレンジの巻
集英社
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こちらもネットで有名になった話。国内外で圧倒的な人気を誇る『ジョジョの奇妙な冒険』の第三部、読者なら「オインゴとボインゴが出てくるエピソード」といえば分かりやすいか(単行本20巻に収録)。
ここに予言能力を使う敵が出てきて、その予言が劇中劇(漫画)の形で語られている。予言漫画に登場した男のTシャツには「911」と描かれており、「おっ、10時半だ」というセリフもある。結局、この男は10時半に死んでしまうわけだが、のちにアメリカで起こった同時多発テロの発生はまさに9月11日。世界貿易センタービルが崩壊した時刻はほぼ10時半だった。しかも予言漫画のバックには飛行機まで飛んでいて、その真上には月(イスラム教のシンボル)も描かれている。……偶然にしてはなかなか怖い一致である。
ちなみに余談だがテロ後の2008年、同作のOVAが「コーランの一部が描かれている」という理由により発売延期&コミックスも一時出荷停止になったりした。原作中にコーランは登場せず、単なるアニメスタッフの不手際だったらしいが、なにかと『ジョジョ』第三部はイスラムに因縁があるようだ。
以上、現実世界を追い越してしまった漫画たちを紹介してみた。
皆さんは名作・傑作といわれる漫画を読んでいて「本当にこれは人間が描いたのか!?」と首をかしげてしまうほどインパクトのあるシーンやセリフに出会ったことはないだろうか? 案外、こうした原稿を描いている瞬間の漫画家というのは、意識がどこか別の次元とつながっているのかもしれない。
【関連リンク】
・「ジョジョの奇妙な冒険」公式サイト