ドックはどうして亡くなった?
『カーズ/クロスロード』ではマックィーンがドックから受け継いだものが大きなテーマとなります。
この世からいなくなったドックを想い、彼のアドバイスを求めようとするマックィーンの姿が響きます。
引退したレースカーでしたが、『カーズ』では元気にしていたドック。
『カーズ』(2006年公開)の後、声優のポール・ニューマンが2008年に死去。
ピクサーは代わりの声優を使うことはせず、『カーズ2』で車の世界でのドックも亡くなったことが明かされました。
第1作から11年がたち、当時の観客だった私たちが年を重ねたように、『カーズ』の世界も同様にドックが亡くなり、マックィーンの体には衰えが見えてきます。
ピクサーが描く見事な『カーズ』の空気感
『カーズ』といえば、見事なCGで描かれる迫力のレースシーンと、車社会の発展で取り残された田舎町ラジエーター・スプリングスの風情が見事にマッチした、新しいものと古き良きもののバランスが心地よい空気を作っている作品です。
ハイテク装備に身を包んだ次世代のレーサーと、ラジエーター・スプリングスで暮らす老いてきたマックィーンとの対比は、『カーズ』らしい新旧の空気感を生み出します。
クラッシュ後のマックィーンを待ち受けるのは、さらに大きく立ちはだかる最新ハイテクマシンの壁。
古き良き存在となったマックィーンはそこにどう立ち向かうのでしょうか。
そして、マックィーンが下す決断とは。
最新テクノロジーを駆使するピクサーが描く、古き良き人(車)の心と継承されてきた知恵の温かい世界からは、様々なメッセージを感じ取れます。
『カーズ』と一緒に人生を駆け抜けてきた人には大きなメッセージが投げかけられることでしょう。
『カーズ/クロスロード』
2017年7月15日(土)公開