ミラーレス一眼市場の9月の販売台数は緊急事態宣言が発令された4月の2.6倍まで伸長した

全国の家電量販店やECショップでPOSデータを集計する「BCNランキング」によると、9月のミラーレス一眼デジタルカメラの販売台数は年初(2020年1月)の水準に戻った。緊急事態宣言が出されるなどして、ここ数年でもっとも数字が落ちた4月と比較すると2.6倍の販売台数を記録した。

メーカー別の販売台数シェアを週次で追うと、ソニー、オリンパス、キヤノンが抜きつ抜かれつの接戦を繰り広げているのが分かる。9月に入ってからはソニーが頭一つ抜け、9月21日週では7月20日週以来の30%台のシェアを獲得。来るべき年末商戦に弾みをつけている。

シリーズ別の販売台数シェアランキングでは、メーカーシェア上昇に貢献したソニーの主力「α6400」が首位を奪還。ここ数カ月はキヤノン「EOS Kiss M」とオリンパス「OLYMPUS OM-D E-M10 Mark III」にトップを譲っていたが、今回は僅差で制した。

ただ年初の数字に戻したとはいえ、カメラ市場が苦境を脱したとは言えない。新型コロナウイルスをめぐる状況は先が読めず、上半期に落ち込んでいた穴埋めと考えれば元の水準に戻るだけでは不足している。年末商戦では「Go To トラベル」などを絡めた訴求を効果的に消費者に発信する必要がありそうだ。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計しているPOSデータベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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