■実はこんなにある!自衛隊が舞台のマンガ

自衛隊が舞台のマンガといえば、原作者ご自身も元自衛官である史村翔原作、すぎむらしんいち作画の「右向け左!」はよく一般の方からも名前が上がりますね。今よりもずっと自衛隊への風当たりが強かった時代に、ああいったコミカルな内容のマンガを連載していたというのはすごいことだと思います。

ほかにも「特攻の拓」で有名な所十三「突撃め!第二少年工科学校」は架空の少年工科学校(ざっくり説明すると自衛隊の高校。現在では「陸上自衛隊高等工科学校」という名称に変更されています)を舞台にした作品。

菅野美穂主演で映画にもなったくじらいいく子「守ってあげたい!」は女性自衛官が主人公、同じくくじらい先生には「エガオを見せて」という子持ちの予備自衛官(ざっくり説明すると非常勤の自衛官のことを指します)が主人公のマンガもあります。少女マンガでは、雁須磨子「どいつもこいつも」もおすすめですね。

一方、自衛隊岡山地方連絡部の公式サイトで公開されている「ジエイのお仕事」は今時の萌え系の絵柄で、ギリギリまで踏み込んだギャグをやるという公式サイトとは思えない内容で話題を呼びました。
あと、自衛隊マンガと括っていいのか正直自信がありませんが、かわぐちかいじ「ジパング」「沈黙の艦隊」も有名ですね。余談ですが筆者の知り合いの知り合いくらいに「かわぐちかいじ作品が好きすぎて海上自衛隊に入隊した」という女性がいるらしいです。その後どうなったのかは知りませんが…。

■近年出版された自衛隊マンガ

先ほどあげた作品以外にも、ココ数年に出版された自衛隊マンガもいろいろあります。

藤原さとし「ライジングサン」 
将来の進路に迷い、自分をもてあましていた高校生・甲斐一気が、偶然出会った自衛官の「どうせ働くならよくわかんねえひとりの社長のために働くより、国(一億人)のために働く方が面白そうじゃねーか」という言葉に感銘を受けて、自衛隊に入隊するところから始まります。作者の藤原先生は元自衛官だそうで、風景描写や戦闘服の着こなしの描き方のリアリティに関しては「さすが」といった感じです。ちょっと不自然な登場の仕方をする女性隊員(少なくとも筆者の入隊したところでは、前期から男女混合の班構成はありえませんでした。いまはそういうケースもあるんでしょうか…)は、まあ青年誌によくあることですし…。
1巻の時点では入隊1日目までしか描かれてないので、今後の展開も気になる作品です。