仕事やプライベートに追われる20~30代の皆さん、休日はしっかりリフレッシュしていますか? たまには漫画喫茶にこもって、がっつり漫画を読みふけってみるのはいかがでしょう。

といっても忙しい社会人にとって、何十巻もある長編漫画に手を出すのはなかなかハードルが高いですよね。

そこで今回、池袋の漫画喫茶・ハイリーファイブカフェのコミックマイスター、太田繁和さんに20~30代におすすめの漫画を5作品ずつ厳選していただきました。

少年漫画編

太田さんは月に100作品ほど発売されるコミックから、ハイリーファイブカフェに入れる作品の選定をされています。そんなコミックのプロフェッショナルである太田さんが選ぶおすすめ作品とは?

まずは少年漫画編から。

1位:鋼の錬金術師

2001年から2010年まで月刊少年ガンガンで連載された大人気ファンタジー。禁忌とされる人体錬成を行った二人の兄弟・エドワードとアルフォンスの旅を描いた壮大な物語。

太田さん「作品のプロットがしっかりしていて、1話から張り巡らされた伏線がダーッと回収されるのが気持ちいい作品です。テンポがよくて、単行本27巻とは思えないほど内容は濃密です。子どもでももちろん楽しめますが、大人こそ楽しめる漫画だと思います。重要なキーワードである"等価交換"とか、大人になると言葉の重さが染みますね」

ハイリーファイブカフェでも人気作品という「鋼の錬金術師」。早ければ5時間ほどで読破できるので、漫画喫茶にこもって読むのにもぴったりです。

2位:幽☆遊☆白書

1990年から1994年まで週刊少年ジャンプで連載された作品。交通事故で死亡した主人公の浦飯幽助が霊界探偵として生き返り、仲間たちと共に強敵に立ち向かっていくバトル漫画。

太田さん「作者の冨樫先生は現在、HUNTER X HUNTERを連載中です。休載が多くてハンターロスになっている方は、冨樫作品の原点ともいえるこの幽☆遊☆白書を読んでほしいですね。全19巻と短いのも読みやすいポイント。冨樫作品はやっぱり面白いなと実感できると思いますよ」

30代には馴染み深い「幽☆遊☆白書」ですが、20代くらいだと読んだことのない方もいるかも? この機会にぜひ。

3位:ろくでなしBLUES

1988年から1997年まで週刊少年ジャンプで連載された学園漫画。ヤンキー(不良)漫画であり、ギャグ漫画であり、ボクシング漫画でもある。リーゼントやパンチパーマといった当時の不良ファッションが30代には懐かしい。

太田さん「42巻まで連載された長編漫画で、何度読んでも笑えるギャグセンスは時代を超えますね。僕は34歳なのですが、子どもの頃は高校に上がったらろくでなしBLUESみたいな世界が待っていると思っていました。それはなかったですが……(笑)。ラブコメ要素もあって、女性にもおすすめできる作品ですよ」

ただ懐かしいだけじゃなく、燃えて笑って泣ける、そんな作品です。

4位:シャカリキ!

1992年から1995年まで週刊少年チャンピオンで連載された自転車・ロードレース漫画。2008年には実写映画化もされた。

太田さん「今、自転車漫画といえば『弱虫ペダル』になるんだと思いますが、僕らの世代的には『シャカリキ!』も外せません。『め組の大吾』などを描いた曽田正人先生作品で、物語を盛り上げるのがとにかくうまい。読んでいると鳥肌が立ちます。『弱虫ペダル』とはまた違ったタイプの自転車漫画です。自転車漫画自体が他のスポーツにくらべると作品数少なめなので、『弱虫ペダル』から自転車の魅力を知った方もぜひ読んでほしいですね」

全18巻と読破しやすい巻数なのもお手頃。漫画喫茶などで一気読みしてもよさそうです。

5位:新ジャングルの王者ターちゃん

1988年から1995年まで週刊少年ジャンプで連載されたギャグ漫画。当初は一話完結のギャグ漫画で、途中から格闘漫画の色が濃くなっていくが、ギャグセンスは相変わらず。

太田さん「今読もうとするとけっこうレアな作品です。漫画喫茶では全巻セットでそろっていることが少なくて、漫画喫茶に行ったときは必ず『新ジャングルの王者ターちゃん』がそろっているかをチェックしています。それが漫画喫茶の品揃えの一つの基準なんですよ。基本的に下ネタ多めのギャグ漫画なのですが、格闘漫画としても面白いですね。ギャグって時代に左右されるので、ギャグ漫画自体も時代が変わると消えていったりするんですが、この作品は今でも愛されているのがすごいですね」

人気作品だらけでまさに黄金期だった90年代の週刊少年ジャンプ。その中でも異彩を放っていたギャグの切れ味を楽しんでみては。