オフラインに強い日本郵政グループとオンラインに強い楽天グループで新たな価値を創造する
日本郵政、日本郵便と楽天は3月12日、物流、モバイル、DXなどさまざまな分野で連携を強化するため資本提携すると発表した。第三者割当増資によって、日本郵政が楽天に1499億円を出資し、楽天は子会社の楽天モバイルが展開する通信事業に投資する。
両社グループは、資本・業務提携に基づき、利便性の向上、地域社会への貢献、事業の拡大を目的に、経営資源や強みを効果的に生かしたシナジーの最大化を図り、オフラインに強い日本郵政グループとオンラインに強い楽天グループで新たな価値を創造する。
物流分野では、共同の物流拠点の構築、共同の配送システム・受取サービスの構築、両社が保有するデータの共有化などを行う。モバイル(通信)分野では、郵便局の屋上などへの基地局設置、郵便局内のイベントスペースへの楽天モバイル加入申込カウンター設置、日本郵便の配達網を活用したマーケティング活動などを実施するため、詳細を協議する。
ほかにも、金融(フィンテック)、ECに関しても業務提携を目指し、協議を進め、4月中に協業内容を発表する予定。なお、楽天は21年4月1日に社名を「楽天グループ」に変更予定で、この規模の大型出資受け入れは初となる。
楽天グループの楽天銀行は、国内のインターネット専業銀行の中で、口座開設数は突出しており、楽天証券も主要オンライン証券の一つに数えられている。対して、楽天モバイルのシェアは、大手3キャリアには及ばず、「1年無料」を打ち出しても、申込数300万回線達成まで、サービス開始から約11カ月かかった。日本郵政グループとの資本提携は日本郵政側からのアプローチといい、3月29日(予定)の第三者割当増資後、日本郵政の出資比率が8.32%となる。
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