自己受容のために始めた「マイルール」

大前提として、自己受容は時間がかかるプロセスだ。残念ながら「これをやったら簡単に自己受容に成功した」というような飛び道具はないが、力添えをしてくれたアクションをふたつ紹介したい。

1. 嘘でもいいから、自分だけは自分に「いいね!」をしてあげる

他人から繰り返し同じ言葉を浴びていると、その言葉が事実のように感じはじめてしまう。

そこでまずは、その負のサイクルを断ち切るために、自分で自分に「いいね!」をしてあげてほしい。他人からのジャッジはコントロールできないけれど、自分ならコントロールできるのだ。

私は一人で近所を散歩する時にヒールのある靴を履くことから始めて、鏡の前でグッドサイン付きで「いいね!」をしてあげていた。心から「いいね!」と思えなくてもいい。これを始めると、脳みそも騙されて本当にいいね!と思えるようになるのだ(あと単純に気分もアガる)。

2. 「NO」を示すことは、然るべき正当防衛

この社会で生きる以上、他人の目やジャッジからは逃れられない。であれば、ジャッジが効かない私になればいい。

少し楽になったと感じたのは、「私を無駄に傷つけてくる人は、私の心に踏み入らせてあげないよ」と思えたときだ。

ドライな考え方と感じる人もいるかもしれないし、特に周囲の全員に優しくしようと努めてしまう人は罪悪感を感じるかもしれない。

しかし、これは攻撃やわがままではなく、然るべき正当防衛。言葉には出せなくても「それ、やめてください」とドライな態度や表情で示せるようになると、自然と周囲の態度にも「リスペクト」が加わっていくのを感じた。

以前は、強い人は敬遠されると思っていたが、「自分の気持ちを理解している」という強かさは、返って人を魅了するのかもしれない。勇気を出してNOサインを出してよかったと思う。

自己受容は、七転び八起きの一人旅

冒頭に「今は自分に胸を張れる」と書いたけれど、実は私もまだ旅の途中。

心の調子が悪いときは自己肯定感が下がるし、些細な言葉に傷つくことも未だにある。きっとこれからも、自信を取り戻しては失うだろうけど、そんなアップダウンを繰り返しながら、しなやかな自己肯定感を育んでいきたい。歩んできた旅路を振り返り、今はそう思えるようになったのだ。

高身長で悩む女性たちをはじめ、社会の「らしさ」に当てはまらない自分の存在について悩む人たち。

自己受容は一人旅。焦らずにいきましょう。

険しく心細い旅の中で、私の旅の軌跡があなたの旅路を照らす街灯の一つくらいになれたなら、とても嬉しい。

旅とゲストハウスと海外エンタメをこよなく愛するライター。主な情報収集分野はジェンダーとセクシュアリティ、ボディポジティブ、セルフラブ、メンタルヘルス、フェムテックなど。いつか憧れの作品に字幕をつけるべく映像翻訳の勉強中。