またぎ(西麻布)

青首鴨の陶板焼き 1万8900円 肉、もも肉、レバー、ハツ、ささみで構成。これで1羽の鴨となる。野性味あふれる味わいだ。

対峙するべき、野生の肉が持つ圧倒的な存在感!

店名の“またぎ”とは猟師のことであり、この店では狩猟によって捕獲した野生の鳥獣を供している。

獲物をとらえてくるのは大将の大島衞さんとそのまたぎ仲間たち。熊、猪、鹿、鴨など、様々な野生動物が「またぎ」でご馳走へと生まれ変わるのだ。店内には動物たちのはく製が飾られており、神聖な気持ちになってくる。また、店の中央には大きな炉端があり、網をかけて肉を焼いているのを見つめていると不思議に飽きることがない。

大将自らが焼いてくれたのが「青首鴨の陶板焼き」だ。「陶板で焼くと脂が逃げないから、旨いんだよな」とハスキーな声で教えてくれる。じっくりと時間をかけて焼き上げた青首鴨を食べてみると、そのねっとりと濃厚な肉のうま味に驚かされる。命をいただく感覚があり、身体に力がみなぎるようである。

「こういうのもなかなかいいもんだろ?」と大島さん。もちろん旨いのだが、それだけではない。この食材のどっしりとした存在感は、食べないと語れない深みがある。

 

店の大将の大島衞さんは狩猟歴50年以上という大ベテラン。只者ではない気配をまとっている。
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住所:港区西麻布3-1-15 RFビル1F 
TEL:03(3796)3388 
営業:18:00~23:00
休業:日曜・祝日休 
席数:30席
予約:可 
予算:夜目安1万~1万5000円
アクセス:東京メトロ・都営地下鉄六本木駅より徒歩約3分

 
 

肉山(吉祥寺)

5000円コースより 木箱におさめられた珠玉の赤身たち。くまもと赤牛、阿蘇の馬肉、蝦夷鹿などが並ぶ。

赤身礼賛!慈しむように焼く至極の味わいを堪能

「お客様がいらっしゃる時間を逆算して焼きます。時間通りにいらっしゃってもらえると助かります。冷めたらもったいないです」と話すのは、店主の光山さん。

ホルモンの名店「わ」を成功させた次に選んだのは、赤身肉。メニューは、5000円コースのみ。豚肉、くまもとあか牛、馬肉、黒毛和牛まで、野菜を含めた約10種類を、フルコースでいただける。

「焼いた肉を切り分けて出す」というスタイルも独特だ。厨房では、光山さん自らトングを操り、火を入れていく。藻塩で軽く下味をつけた肉を、丁寧に回転させながら10分ほどかけてじっくり焼く。そして、15分ほど寝かせる。時間をかけて仕上げた肉のうま味といったら! 極上の赤身肉を、良心的な価格でいただけるとくれば、食通たちが放っておくはずがない。いまや、半年先まで予約が埋まる人気店に。

「赤身肉は硬いと思っている人もいるけど、常識がくつがえると思いますよ」という言葉に納得。同感だ。「肉山」の赤身を食べずして、肉を語ることなかれ。

 

5000円コースより シンシン、馬肉フィレ、イチボ。シメの卵かけご飯の上にのせて味わうのも通な楽しみ方。
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住所:武蔵野市吉祥寺北町1-1-20藤野ビル2F 
TEL:0422(27)1635 
営業:17:00~不定、土・日曜12:00~不定/17:00~不定 
休業:無休 
席数:20席
予約:完全予約制(半年待ちの場合もあります。ご了承ください) 
予算:夜目安コース5000円~ 
アクセス:JRほか吉祥寺駅北口より徒歩約9分

 

 
 

リ・カーリカ(学芸大学)

肉の藤枝・熟成和牛 2800円(税別) うま味が凝縮された熟成肉はしっかりとした歯応えがあり、かむほどに芳醇な味わい。

美しくてそして美味イタリア小皿料理で仲間と盛りあがろう

店名の「リ・カーリカ」とは〝再度、充電する〟という意味だが、この店の勢いにはそれ以上のものが感じられる。キッチンはさほど広くないので、料理がスタッフ間を手渡しされ、客席へと運ばれてくる。自然にかけ声が生まれてキッチンが活気づき、それが客席へも伝播していく。充電というより、ここで思い切り放電しながら、同時に新しいエネルギーをチャージするようなイメージだろうか。

提供するのは自然派ワインとイタリア小皿料理。賑やかで陽気な雰囲気だけでも十分に楽しめるが、さらに料理のひと皿ひと皿のクオリティがただ事ではないからうれしくなってくる。自家製プロシュートの盛り合せ、自家製サルシッチャと白インゲン豆など手間暇をかけた料理は皿の盛り付けも美しい。どの料理も自然の食材がキラキラと輝いているような見栄えをしているのだ。厳選されたビオワインを飲みながら、おいしい料理を囲み、楽しく酔っ払いたい……。そんな日に、ぜひ足を運びたいオステリアだ。

 

イベリコ豚のスペアリブ 1500円(税別) 肉にかぶりつくように食べたいスペアリブ。硬めの肉を骨から剥がしながら味わうべし。
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住所:目黒区鷹番2-16-14 B1F 
TEL:03(6303)3297 
営業:18:00~翌1:00
休日:無休 
席数:24席
予約:可 
予算:夜目安5000~7000円 
アクセス:東急線学芸大学駅より徒歩約2分
 

 

カルビ屋大福 柏の葉店(流山)

尾崎牛の盛り合せ 5400円(税別) 大判カルビ、たてバラなど、尾崎牛が堪能できる盛り合せ。売り切れ御免の人気メニューだ。

幻の尾崎牛をリーズナブルに供する流山の名店!

黒毛和牛の最高峰としてその名を轟かせる宮崎県の尾崎牛。「カルビ屋大福」は、その希少な尾崎牛をたっぷりと、しかもリーズナブルに楽しませる店だ。

「尾崎牛の特徴のひとつは長期飼育されていること。脂があっさりとして融点も低いので、いくらでもおいしくいただけるんです」。そう語るのはニコニコとした笑顔が印象的な堀切忠章オーナーだ。10年食べ歩きを続けて、おいしい肉を探し続けた結果、「霜降り肉というだけで信頼するのではなく、自分たちがおいしいと思ったものを届けたい」と、いまのスタイルにたどり着いたそう。

堀切さんが厳しく目利きした肉は、たとえば赤身肉なら脂身が少ないのにとてもジューシー。オーナーの牛を見る目の確かさには唸るしかない。牛だけでなく、豚、鶏も提供。仲間に声をかけたらボリュームたっぷりの大皿を注文して、いろんな肉を試したくなる。これだけの肉でもてなしておいて、価格もリーズナブルとは恐れ入る。遠方からでも足を運ぶ価値のある一軒だ。

 

大福タン一本焼き 1800円(税別) タンのなかでもやわらかいタン元を厚切りで提供。一晩寝かせて熟成させると味わいが濃厚に。
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住所:千葉県流山市青田140-4 
TEL:04(7155)8120 
営業:月~金曜11:00~15:00(LO14:30)/17:00~23:00(LO22:30) 土・日曜・祝日11:00~23:00(LO22:30)
休業:第2火曜休 
席数:114席
予約:可 
予算:昼目安1200円/夜目安3000円 
アクセス:東武線江戸川台駅東口より徒歩約20分