撮影外の人間関係が大事!「こっちを見て欲しくてわざと怒らせた事も」

――中川さんも役者仲間と絆を感じた印象的な出来事はありますか?

中川:僕、クランクアップの時に結構泣いちゃいますね。

学園モノに出させていただくことが多いので、同世代の役者が多くて、長い時間一緒に撮影していると終わりが来るのが寂しくて。

仲良しの雰囲気がちゃんと出ている作品って、実際に現場でも仲良くて、そういう裏側からの関係作りを大切にしたいと思っているので、余計泣けちゃいますね。

小関:特にロケを地方とかでやっていると、みんなギュって仲良くなったりするよね。中川君は地方ロケのオフの時間って何してるの?

中川:みんなでご飯食べ行くことが多いですね。そういう時間も含めてチームになっていくというか。

小関:いいね〜。僕は急に思い立ってレンタカー借りてドライブ行っちゃったりするんですけど、誘われたら迷惑かな?とか思って誘えなかったり(笑)。

でも皆でご飯食べいくのも好きなんですよ!

――『A3!』にも合宿のシーンがありましたね。

小関:現場だけじゃない場所でのコミュニケーションって大事だよね

特にはじめましての人だと、人となりがよく分かっていない時って芝居も遠慮しちゃうこともあるし。

以前、コミュニケーション不足で、全員がバラバラの方向むいちゃっていた事があって。僕も自分の事しか考えていなかったし。そういう雰囲気って作品にも出ちゃうんですよね。

――そういったバラバラな雰囲気はどの様に打開したのですか?

小関:わざと相手を怒らせたりします!(笑)

怒らせる事で相手が「なんだよ」ってこっちを向いてくれるじゃないですか。

それで2人で向き合うことが出来る。今回のCM撮影は中川君と向き合って対話出来たから楽しかったんですが、お芝居って聞くことが大事だなと思うんです。

中学生の頃に怒鳴られた思い出、言われてハッとしたこと。“監督”との思い出は?

――『A3!』の登場人物達も、みんな仲間であり良きライバルだと思うのですが、お2人にライバルはいますか?

中川:うーん。全員、ですよね。特に歳が近い男の役者さんの活動は気になっちゃいますし、この役やりたかったなとか、この作品いいなってやっぱり思っちゃいます。

小関:ライバルは……10年後の自分です(キリッ)。

中川:どうしたんですか! 急にかっこいい!

小関:普通に言うのが恥ずかしいからあえてキリッと言ってみた(笑)。

目標というか、この役者さんのここを取り入れたいなと思っている人はたくさんいるのですが、その方になりたいわけではないので。

どんな自分になりたいのか、まだ分かりきっていない部分があるので、こうして色々なお仕事を続けていって、10年後の自分が納得してくれればいいなと思ったりします。

中川君も10年後30歳で、僕が33歳でしょ。20歳と23歳よりも、30歳と33歳の方がより同世代な感じがして。

皆で同じ作品作ったら、すごく濃い作品が出来るんじゃないかなって楽しみなんですよね。『A3!』みたいに役者やりながら脚本書いたり、監督やる方も出て来るかもしれないし。

中川:僕も小関さんと今後はドラマや映画で共演してみたいので、さらに10年後もご一緒出来たら、すごく楽しみですね。

――ゲームはプレイヤーが「監督」役を担っていますが、実際に現場で監督に言われて嬉しかった言葉を教えてください。

小関:今とある作品に関わっているのですが、先日出来上がった作品を監督がわざわざ家まで持ってきてくれて。

現場では監督が何もオーダーを言わずに「OK!」しか言わないので、ちょっと不安があったのですが、「撮ったのを見直したらすごく良かったよ!」って言ってくださって、すごく嬉しかったです。

自分の解釈、芝居で合っていたんだ!って。

 

中川:中学生くらいの今よりも何も分からない時に、セリフを覚えて監督に言われた事をやる事しか出来なかったんですが、「もっと自分で発信していいんだよ!」って監督に言われた時に、芝居を作るっていう意味が分かったというか、自分の中で演技というものが広がった瞬間でした。

あと、オーディションでセリフを言い終わって自分でやめたら「カットかかるまでやれ!!」って思いっきり怒鳴られた事もあります。

小関:ああ〜、あるあるだよね、それ!

20歳になりたての中川さんに、小関さんが伝えたいこと!

――改めて、演じること、役者という仕事の面白さはどんな所にあるでしょうか。

中川:こんなに時間かけて、たくさんの人が関わって、命とお金かけて作っていることが、すごいって事ですね。当たり前になっているけど、それってすごくないですか。

ふっと冷静になった時に、観てくれる人がいなくなったら終わっちゃう仕事ですし、すごい事だなって思うんです。

小関:感情が動いて、「感動」って書くじゃないですか。それが映画やドラマの場合、一枚の画面の中で作られていて、観る側も同じ方を観ているのがすごいと思います。

そして、これは面白さと難しさの両方はあるのですが、役を演じるということはその人の人生を引き受けないといけない。犯罪者役だったら、どうして犯罪をすることになったのか、その人物の背景まで考えて考えて引き受けないといけない。そんな所が役者の醍醐味だなと思います。

――最後に、20歳になったばかりの中川さんに、3歳先輩の小関さんから何かアドバイスはありますか?

小関: “20歳”ってすごく特別で、この1年は「20歳になったね」「20歳だね」って皆が言ってくれる。

でも21歳になった時にぽんっと大人側に放り込まれるというか、誰も「21歳だね!」なんて言わずに、粛々と20代を重ねていかないといけない。だから20歳を全力で楽しんでね! 急にお兄さんぶってごめんね(笑)。

中川:うわあ、今のめっちゃ響きました。確かに20歳って特別ですよね。20歳と21歳は全然違う。この1年、一瞬一瞬も大切にしていこうと思います! すごく……響きました。

小関:本当に!? 良かった(笑)。中川君は15、16歳の頃から20代の様に大人っぽかったから、まだ20歳っていうのが驚きなんだけど、絶対素敵な20代になると思うのでまた一緒になる日を楽しみにしているね。