ビックカメラ

家電量販店最大手の1つである「ビックカメラ」。こちらも英語のビッグと間違えがちですが「ビックカメラ」が正しく、ローマ字表記も「BICCAMERA」です。

公式サイトによると、
“「BIC」とは、バリ島のスラングで、「大きい(Big)」の意味を持つ一方、ただ大きいだけでなく中身を伴った大きさ、という意味もあります。「限りなく大きく、限りなく重く、限りなく広く、限りなく純粋に。ただの大きな石ではなく、小さくても光輝くダイヤモンドのような企業になりたい」という希望をこめて、「ビックカメラ」と命名しました”
とのこと。

英語ではなく、バリの言葉のスラングだったのですね。

ブルドックソース

こちらはもビックカメラと同様、「ブルドッグソース」ではなく「ブルドックソース」が正しい社名となっています。

公式サイトによると、社名の由来は
“ソース発祥の地であるイギリスではブルドッグはシンボル犬として愛されていました。また、ソースが日本の家庭に馴染んできた大正末期に、ブルドッグがペットとして人気を集めていました。そこで、ソースのおいしさもこのペット同様に人々に広く愛されるようにと、商品名に「ブルドック」として採用、マークとしました”
とのことでした。

「ブルドック」とした理由は、濁音が続く語感を避けるため、あえて使い分けたものなのだそうです。

吉野家

牛丼チェーン大手の「吉野家」。どこが間違いやすいのかと思いきや、こちらは漢字に注目。

公式サイトによると
“吉の字は、正しくは「土(つち)」に「口(くち)」と書きます”
とのこと。

パソコンなどで「よしのや」と打つと「吉野家」と変換されます。この時の「吉」は「武士の士」の下に「口」と書かれた「吉」なので、本来の社名とは違ってしまいます。

ロゴを見るとしっかり2番目の線の方が長く書かれています。これは間違いやすい!

これは間違いやすい!【番外編】

番外編として、社名ではありませんが、間違いやすい「名前」をご紹介します。

《レツゴー三匹》

1968年から2014年まで、46年にもわたり活躍してきたレツゴー正児さん、レツゴー長作さん、2014年に亡くなったレツゴーじゅんさんの漫才トリオですが、「レッツゴー三匹」ではなく、「レツゴー三匹」が正しいのだそうです。

レツゴー正児さんのブログにはなぜレツゴーであるのかということが説明されています。

“「Let's Go 三匹」は、東京では「レツゴー(↑)さんびき」と‘Let's Go’の部分が尻上がりなるのですが、大阪では「レッツゴー(↓)さんびき」と尻下がりになります。つまり、大阪弁の発音通りに書くと、「レッツゴー」と「ツ」を2つ書かなければいけません。
そこで、東京の人にもわかりやすく、また、字数も少ない方がサインを書く時に手間もかからんという単なるずぼらな思いつきから「レツゴー三匹」にしました”
とのことでした。

《ネーデルラント》

国名からはこちら。オランダの正式名称は、「Nederlanden(ネーデルラント)」。でも、英語では「the Netherlands」、「Holland(俗称)」と表記され、日本語では「ネザーランド」「ホランド」などと読まれます。その読み方と混同して「ネーデルランド」と間違いやすいのですが、正しくは「ネーデルラント」なんですね。

 

いかがでしたでしょうか。

国語国字改革前の創業の会社には歴史的仮名遣で拗音を小書きにしない会社があったり、見た目のバランスであったり、EDWINやビックカメラのような由来があったりと、理由はそれぞれでした。

今回ご紹介したように、実際の商標や社名と認知されている社名が違ったり、音に出して読むと、その語感や読みやすさから、正しい社名通りではない呼び方をする会社もあるので、少し混乱してしまうかもしれません。

それでも、日本で、そして世界で、それぞれの分野で使命感をもってお仕事をされている、我らが誇る日本の企業のお名前。
ぜひ、間違えないようにしたいものです。

FMラジオ放送局、IT系での仕事人生活を経て、フリーランスモノ書き。好きなものは、クラゲ、ジュゴン、宇宙、絵本、コドモ、ヘンテコなもの。座右の銘は「明日地球がなくなるかもしれないから、今すぐ食べる」。木漏れ日の下で読書と昼寝をする生活と絵本に携わることを夢見て、日々生きています。