「います…。いや、でもうるさいっていうか、固いっていうか。真面目すぎるっていうんですかね。何て言うんだろう…うん、ちんちくりんなゆで卵みたいなヤツで」(劇場版)

余命幾ばくもなく医療刑務所にいる滝田を見舞った久利生。滝田から「大切な人はいますか?」と聞かれ。ちょっと照れながら雨宮のことを話す姿が印象的。滝田との会話で、久利生の中の雨宮への思いはより深くなったのかもしれない。

「いや、簡単に裁判終わらしちゃマズイじゃないですか。蒲生さんの要求に俺が応えて、徹底的に有罪を証明する。ほんの少しの疑問も残らないように徹底的に。

それは梅林に聞かせるためなんですけど。俺の仕事は加害者に遺族の悲しみとか自分の犯した罪の重さを気付かせることだと思ってますから。

だって、そいつが何年の刑を受けたって、また同じ罪を犯したら意味ないじゃないですか。だから…いや、大歓迎ですよ。千本ノック」(劇場版)

裁判はただ罪状を立証し、刑を確定するものだけではなく、加害者に自分の犯した罪の重さを意識させるものだと語る久利生。そのために一分の隙もなく罪状を立証させることができるなら、弁護士からの反論はウエルカムだと。

彼が蒲生とのやりとりを「充実してるんですから」と言った理由はまさにここにある。裁判中の梅林の表情が何度か出てくるが、彼が罪の重さを次第に認識していくのを映し出しているのだ。

「これが新聞では数行の記事で報じられた、あなた(花岡)がつまらないと言った事件の内容です。

里山裕一郎さんは結婚式を数日後に控えた夜、突然命を奪われ、32年の生涯を終えました。彼の心臓が2度も止まりながらまた動き出したのは──生きたかったからじゃないでしょうか。彼には幸せにすると約束した大切な人がいたからです。

彼女は知りたいはずです。誰が彼の命を奪ったのか? どうして最愛の人が死ななければいけなかったのか!? どうしても知りたくて、つらい気持ちを必死に奮い立たせて傍聴席に座ってらっしゃるんです。

もしそれを邪魔する人間がいるとしたら、自分の利益のために事実を曲げて犯人をかばい、嘘をつく人間がいるとしたら、俺は絶対に許さない。これは里山さんという人の命の重さを知る裁判なんです!」(劇場版)

事件の概要を話したあと、久利生が思いを吐き出した場面。“被害者の味方になれるのは自分たちしかいない”とシーズン1で語った久利生の言葉に通じる。真実を明るみにする、それは久利生が一貫して抱いている思いだ。

法廷で静かながらも内に怒りを込めた久利生を木村が見事に体現し、観ている人も固唾をのんで見守る傍聴席の一員になったハズ。

「promesa.no me separaré.(約束します 離しません)」(劇場版)

韓国でカン(イ・ビョンホン)から韓国語で「彼女を離すな」と言われた久利生。そのときは雨宮しか言葉の意味を理解していなかった(若干照れた表情がいい)。

のちにバーでマスターが通販で購入した翻訳機でその意味を確認した久利生が、やはり通販で購入して勉強中だったスペイン語で言った言葉。

マスターが翻訳機にささやいていて(「あるよ」以外を言ってるが声は聞こえず)、その言葉の意味が判明。このあと、ほんのわずかな沈黙が続いたあと、久利生と雨宮は自然とキスを。映画は幕を閉じる。