BUCK-TICKをオススメするときはどうする?

ニッチ:BUCK-TICKって何を最初に聴いてもらうかどうかでおすすめするの困りません?

山川:ライブでやるような曲かなあ。最新作と…何の曲やるかわからないから、考えちゃいますよね。

水田:『memento mori』に収録されている『真っ赤な夜』や『アンブレラ』もけっこうやりますよね。

ニッチ:あと『独壇場Beauty』は対バンキラー曲だし。そういえばこの曲はまだ5年前のものなんだね、そうとは思えないくらいあまりにも馴染んでる。最近のBUCK-TICKの代表曲といえるんじゃないかな。

水田:『RAZZLE DAZZLE』って、大人のバンドがやってカッコいい曲が入ってると思うんです。歌詞もそんな感じだし。『羽虫のように』も大好き。

ニッチ:楽しいアルバムだよね、ダンサブルな曲が多くて。

水田:『Django!!! -眩惑のジャンゴ- 』や『ボレロ』もだけど、いい感じにゆるく踊れる感じがするので、「大人」って感じ。力がうまい感じに抜けているというか。このバンドじゃなきゃ出来なさがある。それを言ったら全部そうなんですけど(笑)!

山川:『狂気のデッドヒート』も『RAZZLE DAZZLE』ですね。

水田:最近のBUCK-TICKの、大いなる目で物をみてる感じが好きかもしれない。 だから上手く形容できないけど。歌詞の視点が地球を月からみてるくらいの引き方なんで。聴いた人が解釈 していいというか、受け手に委ねることが多くなったのかなって。 だって「We love all 抱きしめたい」ですよ(笑)!! 『禁じられた遊び』とかは個人的な話っぽいけど、全体的に博愛なんですよ。

――90年代半ばくらいから中東の戦争問題に触れていたり、2000年以降はそれこそ『極東 I LOVE YOU』あたりでどんどんそれが顕著になっていって…。

ニッチ:僕それで一瞬「え?ちょっと…」って思って(気持ちが)離れちゃったんですよ。CDは買ってたんですけど。そこから『十三階は月光』で戻ってきたというか。

――『十三階は月光』は初のコンセプト・アルバムということもあって、オススメしやすいかもしれないですね。

水田:そう、だからその辺から逆に自分が体験してなくても分かる音楽とか歌詞になってくれたから、すんなり入ってくるようになったっていう部分はすごくありますね。

ニッチ:『十三階は月光』でドッと新規が増えた感がありますね。若い子で「BUCK-TICK」気になるって言ってる人たちがドンと増えたなって感じがしました。

――あのあたりから若い層、いわゆるバンギャル、あるいはロリータさんをよく見るようになった気がします。「もともと名前やバンド名は知ってたけど・・・」みたいな感じで。昔は「BUCK-TICKはV系じゃない」的な意見の人も多かったと思うんですが、いつの間にか。

山川:逆に「BUCK-TICKっていったらコレ(逆立てる動作)でしょ?」で止まってる人もいますしね。

ニッチ:もうひとりしかいないよ!

――逆にひとりイメージを守ってる人がいることがすごいですよ。

ニッチ:ほかにも『蜉蝣 -かげろう-』でCLAMP原作のアニメ『XXXHOLiC』のエンディングをBUCK-TICKがやって、そこでCLAMPのアニメのファン層と、BUCK-TICKのファン層が重なった感もあるんですよね。

山川:私アニメ全然わからないんですけど、そうだったんですか?

――PVもそのアニメの世界観にあっていて、ファンの方からも評判がよかった記憶があります。

ニッチ:多分BUCK-TICKを好きな人たちが大人になって、なにかしらの企画の決定権を持ちだすじゃないですか。それで「原作者がファンで…」みたいなこともあるんじゃないですか。

――他にも05年のアニメ『トリニティ・ブラッド』でも『ドレス (bloody trinity mix))』が起用されていましたね。

ニッチ:いろんなところでBUCK-TICK好きな人と会うというか。僕DJをやってまして、ダンスミュージックのDJもするんですけど、昔からいろんな所でリハで一番よくかける曲が、出音を確認しやすいので、『ICONOCLASM』なんですよ。

そしたらライブハウスとか、クラブのスタッフとかPAの人達が、V系のイベントじゃなくても、リハでDJがBUCK-TICKかけてるって時点で「え?BUCK-TICK好きなの?」って話になるんですよ。それで、そこで盛り上がるというかコミュニケーションがスムーズになることが多くて。

やっぱり80年代終わりにBUCK-TICKを思春期で食らった人たちが30代半ばから上になってるから、それがそういうアニメタイアップなんかにも表れてるのかなって勝手に思ってたりするんですけど。

今後のBUCK-TICKに期待していること

山川:2010年以降ホールツアーやってライブハウスツアーやって、それでアルバム出して…って動きますよね。

ニッチ:今年みたいにほぼ1年リリース無い年とかありますけどね。ライブもルナフェスとDIQツアーだけですよね。

水田:とはいえMORTALやSCHAFTがありましたし。

ニッチ:あとアニイの誕生日イベントか。

山川:でも昔よりコンスタントに動いてる印象があります。

――今年は9月に横浜アリーナも決まっていますし、Victorに移籍してのリリースも決定してて、色々と動きがありそうですね。

水田:またフェスもやってほしいです。前回のフェスがすごく良くて、メンツが私の好みすぎて…、まあ自分の好きなバンドがBUCK-TICKを好きだったってだけなんですけど(笑)。

山川:今はSCHAFTのツアーも終わって、SCHAFTロスなので(笑)、9月のBUCK-TICKのライブを楽しみにしています。

ニッチ:Victorに戻っての新作がどうなるのか楽しみですね。個人的には『エリーゼのために』以降の3枚が落ち着いていたので、そろそろ攻撃的なシングルが出たら嬉しいなと思っています。