ファンの皆さんと、“思いが一緒だな”って感じる瞬間がある

――今回の制作を通して、楽しかったこと、大変だったことがあれば教えてください。

「全体的にすべて楽しかったですね。作詞も楽しかったし」

――言葉が出てこなくて悩む、なんてこともなく?

「確かに筆が走るときと、そうでないときがあって、時間がかかったりすることもありましたけど、振り返ってみると楽しかったな、って思います。

レコーディングでも自分の声に、自分の声でコーラスを入れさせて頂くというのがあって、自分の声が重なって聴こえるというのはやったことがなかったので楽しかったですね」

撮影:稲澤朝博

――歌の表現って、自分が歌いやすいキーで歌えばいいってものではないですものね。

「そうなんです。コンセプトが最初にも言ったように“ラブレター”だったので、聴いて頂いた方がときめきを感じたり、恋をしてもらえるようなものにしたいって思っていたので。その音域がどこなのかは何度も試行錯誤しながら決めていきました。制作の段階での、キー調整がいちばん時間をかけたかもしれません。

どの音域で歌おうか、その音域が“私のしたいこと”にいちばん近いキーなのか、スタッフさんと何度も話し合いながら制作していきました」

――カバー曲のT.M.Revolutionの『WHITE BREATH』と、ウルフルズの『バンザイ』についてもお聞きしたいのですが、どうしてこの2曲を選んだのですか?

「『WHITE BREATH』は学生時代からカラオケに行ったら必ず歌うみたいな、十八番だったので(笑)。宝塚時代にもイベントとかでよく歌わせて頂いてたので、形として残したいな、と思って選びました。

『バンザイ』もよく歌っているというのと、私のこれからの活動に際して、皆さんへのメッセージとして伝えられる歌詞だなと思ったので。そういう意味で6月にやらせて頂いたラジオのエンディングで使わせて頂いたり、キックオフイベントのティーパーティーでも歌わせて頂いたりしました」

――ただ何気にこの2曲の主人公も“僕”“俺”なんですよね。退団されたら男役の方でも、女性らしい面を出されていく方も多いと思うのですが、七海さんはそこは一貫していますよね。

「ファンの方の夢を壊さないという見方もあるかと思うんですけど、私はこの方がしっくりくるんです。宝塚に入る前もわりとボーイッシュで、髪の毛も短かったし、いつもジーンズにTシャツみたいな恰好だったし(笑)。だからファンの方のために無理してやっているというより、これが私の素の感じなんです」

――ここまでのお話を聞いていると、ご自身の好きなものと、ファンの方が求めるものが一致しているというか。

「そうですね。私がやりたいことと、ファンの方が喜んでくれるものは同じ。皆さんと思いが一緒だな、って感じる瞬間もあるので、そういうものをこれからもやっていきたい、って思います。そういう意味では、ファンファーストで、ファン命です!」

これから新しい自分と出会えることが楽しみ

――今後の音楽活動に関しては、現状どう考えていますか?

「今回がデビュー作で、これからがスタートなのでいろんな曲を歌っていきたいとは思っています。ロックとかのノリのいい曲も好きだし、もしかしたらジャズとかR&Bとかテクノとか(笑)。これから先は長いので、いろいろ試してはみたいなと思います。

色々な作詞家の方がいらっしゃるので、勉強にもなりますし、新たな発見にもなるので、作詞して頂く曲もチャレンジしていきたいです!

ただ、やっぱり作詞は続けていきたい、と思っています。今回、作詞という貴重な機会を頂いて思ったのは、自分の言葉のほうが気持ちが伝えやすい、ということ。“信じてる”と“信じたい”とかの微妙の違いがとても大切だということにも気づきました」

――演じるということをされていたから、他人の言葉に気持ちを乗せるのも得意なのかな?って思ったのですが、そういうわけでもないんですね。

撮影:稲澤朝博

「それが役として歌うってことだったらできると思うんですけど、七海ひろきとして歌うものなので。それに私が書いた方が、聴いてくださる方に思いも伝わると思うので、そこは頑張って続けていきたいな、って思います」

――今作は七海さんがこれから新しいスタートを切る上での決意と、これまで支えてくださった方への感謝が感じられましたが、そうやってご自身の気持ちを歌詞にしていくとなると、新しいチャレンジによって、また新しい七海さんと出会えそうで楽しみです。

「私もそれを楽しみにしてます。私、すごくわかりやすいので、“めっちゃ悩んでる”みたいな歌詞も書くかもしれないですけど(笑)。それも含めて、楽しみにしたいと思っています」

スラっとしたスタイルで、外見もカッコイイ七海ひろきさんですが、中身はもっとカッコイイ! “イケメン”は内面から作られるという言葉がとても納得できました。

ミニアルバム『GALAXY』は、そんな七海さんの今の思いがまっすぐに届く歌が詰まっています。“イケメン”な思いを受け取ってみてほしいです。

リリース情報

七海ひろき『GALAXY』
発売中 価格:通常盤 1,852円+税

【収録内容】
M1.Ambition
M2.START!!
M3.片思いの君へ
M4.GALAXY
M5.ありがとう
M6.WHITE BREATH(カバー)

M7.バンザイ~好きでよかった~(カバー)

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