耳栓を物販で販売するバンドも

一方、ミュージシャン側からもアクションを起こし始めています。

人気ロックバンド・キュウソネコカミは、昨年秋の『DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016-2017〜ボロボロバキバキ クルットゥ!ツアー〜』ツアーから物販グッズとして500円で耳栓を販売していますし、グッズとは別に「THUNDERPLUGS」を物販で扱っているそうです。

打首獄門同好会のライブグッズ「ミミセンドリックス」。名前もいい、パッケージもかわいい!

そして、「THUNDERPLUGS」とコラボした耳栓「ミミセンドリックス」(とてもいい名前ですね!)をバンド物販で販売している生活密着型ラウドロックバンド・打首獄門同好会にメール取材を行ったところ、大澤敦史さん(Gt)からこのようなコメントをいただきました。

「ライブハウスで耳栓」っていう話をすると、大概最初の反応は「えっ?耳栓って、アリなの?」というのが多数なんですけどね。

そもそも音楽に対して少なかれ耳を塞ぐ行為というのが、演者に対して失礼にあたるのではないか?そんな心情、あるんですよね。それゆえ「ちょっと耳がキツくても我慢」してしまうという、なんとも日本人らしい奥ゆかしさを感じる話なのですが。

そうは言ってもライブハウス、スピーカー前とフロア後方じゃ全然音量も違うし、バンドによっても音の処理は全然違う。長時間のイベントもある。正直、演者側という立場から見ても「あーこれはキツいな」と思うシチュエーションは多々あるんです。大きい音に慣れてない人ならなおさらですよね。

なので、耳がキツいなーと思う時には耳栓で和らげ、キツくない時はポケットにしまっておく、全然アリなのです。

で、そんな「アリだよ」というメッセージを「物販で耳栓を扱う」という直接的な形で示したところ(笑)やはり「これは助かる!」って使ってくれる人は多いんですね。結果的に、ライブハウスに足を運びやすくなったとかも言ってもらえて。

うん、いいと思います。音楽の楽しみ方は人それぞれ、こういう「楽しみ方を選ぶ」ツール、ぜひ積極的に活用していただきたい。

打首獄門同好会・大澤敦史(Gt)
なお、打首獄門同好会は現在各地でソールドアウト続出の「やんごとなきツアー」の真っ最中。

普段何気なく音楽を聴いたりライブに行ったりしていますが、筆者も今後長く音楽を楽しむためにも、ちょっとだけ「耳のこと」を考えていきたいと思いました。