「完全母乳だから出かけられない?そんなことないのよ」と、にこやかに語る先輩ママがいます。

母乳110番】代表で、母乳育児書のロングセラー『おっぱいとだっこ』等の著者でもある竹中恭子さん。体験談も交えつつ、心が軽くなるヒントを語っていただきました!

はるか遠くの授乳室から戻らないママ……実際にあったストーリーから見えてくることは?

――「公共の場での授乳」について悩む方の多くは、いわゆる“完母”のママたちです。赤ちゃんがお腹を空かせたら、母乳しか選択肢のないママたちは、家に閉じこもるしかないのでしょうか。

竹中さんは「完全母乳でも出かけられる」とおっしゃいますが、本当のところはどうなのでしょうか。

竹中恭子さん(以下、竹中): まずは、私の体験を聞いていただきましょうか。

ママ友たちと公共施設の芝生のお庭で子どもを遊ばせながら、お弁当を食べた時のことです。

授乳服を着ているママは肌が見える心配がないので、授乳しながらパクパクモグモグやっています。

授乳服は持っていないけれど、いつも外で授乳し慣れているママは、食べ終わってから周囲を見回し適当に服をめくって、子どもの頭をそこに突っ込み隠しながら授乳。ケープ授乳のママも、適当に食べながら。

人それぞれの光景、だったのですが。

その中に一人「授乳室でないと授乳できない」というママがいまして。仮にAちゃんママとしましょうか。

そのAちゃんママが恐る恐る「授乳室ってあるんでしょうか」と聞いてきました。

「たしかそっちの右の奥に『いつでも授乳にお使いください』って書いてある『保育室』があったよ」とみんなが言うので、その日は子連れでなくて身軽だった私が彼女に付き添い、1階にある保育室へ行きました。

貼り紙、ありました。確かにそう書いてあります。でも「お使いになる時は1階受付事務までお声かけください」とも書いてあります。

そこで受付に行って聞くと…普段であれば自由に入って授乳に使わせてもらえるというその保育室は今「イベントのための一時保育に使用中」だそうで。

もちろんスペースは十分にありますが、ママから離れて預けられている子どもたちがいるところに部外者親子が入っていって、しかも目の前で授乳をするのはどうなんだろう、という問題があるらしく。

たしかに子どもたちが自分のママを思い出して泣き出したら保育士さんも困りますし、何より子どもがかわいそうですから、事務室と保育室で相談してくださったようなのですが、やがて、
「そういう時は、こちらにご案内することになっているそうです。お待たせしてすみません」
と言われて、職員の方も珍しい事態に戸惑いながらではありましたが、2階の事務室に案内されました。

2階の事務室は、建物のずっと先の奥まったところにあります。Aちゃんママと一緒に「こちらで授乳できるお部屋に案内していただけると聞いたのですが」と声をかけると、女性職員の方が立ち上がり、案内してさらに奥に連れていってくれました。

「スミマセン、すみません」と恐縮しつつ職員の方について行くAちゃんママと別れ、私は1階に下りて庭に戻りました。

ほかの友人たちに「遅かったねえ、どうだったの?」と聞かれたので「1階の保育室は保育中で使わせてもらえなかったの。でも2階になんかあるみたいで、案内してもらって行った」と報告。

その後しばらくみんなで談笑していましたが、Aちゃんママが、かなり時間がたっても戻って来ないのですね。

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