■周囲と協力して撃退せよ!――張り込みの手口と対処

【張り込みとは】
自宅や職場近くでターゲットを見張り、その行動パターンや弱みを調べる手法です。素人はただ単に見張るだけですが、プロの探偵が張り込む場合はたいてい「証拠撮影」か「尾行」がセットになります。

【主な手口、見分け方】
・自宅や職場の“人の出入り”が見える場所に、定期的に怪しい人間やクルマがいる
・同じ人間かどうかよりも、同じ場所かどうかが大事なポイント(プロは人員を入れ替える余裕がある)
・集合住宅に住んでいる場合、見慣れない人間が敷地内に出入りしている
・不審なクルマが停まっていた場合、あまり見かけない他府県ナンバーである
・同じ地域のナンバーでも、プレートのひらがながレンタカーを意味する「わ」である
・夏や冬で人間が乗っていてるのに、エンジン停止してエアコンもかけていない(余計な音をたてないため)
・クルマの後部座席などに目張りがしてある(中から撮影しているのを隠すため)
・玄関ドアの隙間をよく見ると、丸めたチリ紙が挟んである(ドアの開閉を知るため)
・郵便受けの中身を荒らされた形跡があったり、届くはずの郵便物が消えたりする

【防御、対策法】
一般人ストーカーの場合は単に興味本位や自己満足(好きな人の傍にいるという安心感)が目的で、そこに郵便物や私物の盗難が絡んだりします。プロの場合はもっと細かく生活パターンの把握、証拠撮影が主な目的になります。ターゲットが一人暮らしですと「部屋の明かりが点く時刻」「電力メーターの回転する速度」「ドアの隙間に挟んでおいた紙片が落ちたかどうか」で、だいたいの生活リズムが分かったりします。

張り込みは自分がターゲットにされても比較的気づきにくいため、ともかく「おかしいな?」と感じたら疑ってみることが大切。ただし立っている人間や停まっているクルマの運転者をいきなり問い詰めるのはNG。相手が無実だとトラブルの元になる、ストーカーだと逆に喜ばせてしまうかもしれない、プロだと警戒されて分かりにくい調査法に切り替えられてしまう‥‥などあまり良い結果を生みません。

筆者が経験的に、張り込み時にやられて一番嫌だったのは「近隣一帯がすべて敵になる」ことです。小さい子供がいる家庭の奥さんだとか、マンションだったら住み込み管理人さんに「あそこに不審者がいてジロジロまわりを見ています」と報せてまわるわけです。張り込み者がストーカーだろうがプロ探偵だろうがしょせんは人間。どんなにうまい言い訳を用意していても、ひっきりなしに近所の主婦たちから「ここで何してんの?」と問い詰められるプレッシャーは想像を絶します。証言者が多いほうが警察も重い腰を上げやすいですし、この対策法が筆者的にオススメです(※効果を保証するものではありません)。

このほか、小型監視カメラを設置してさらにプレッシャーを与えたり、部屋の照明を留守中でも一定時間ごとにオンオフ切り替えてくれるタイプに換え、不在をバレにくくする方法もあります。可能であればいつも路上に停まっている不審車両のナンバーを記録しておくなど、客観的な証拠収集も忘れないでください。