「ライデン国立博物館所蔵 古代エジプト展―美しき棺のメッセージ―」が、4/16(金)から渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催される。世界で最も古い国立博物館のひとつであるオランダのライデン博物館は、古代エジプトをはじめ、ギリシャ、ローマなどのコレクションをおよそ20万点所蔵。今回、そのなかから200点以上が来日した。

見どころは、なんといっても圧巻の棺の立体展示。12点もの棺が、時代を追うように一堂に並ぶ。最も古いものは、なんと紀元前1000年頃のもの。太陽を表す黄色や、超えた土を表す黒など、色も時代ごとに変わっていく様子が見て取れる。また、通常であれば寝かせて展示される棺だが、縦に置かれることによって、普段は見えない棺の内外に施された細かい文字や装飾まで、目を凝らしてじっくり楽しむことができる。

さらに興味深いのは、世界初公開となるミイラのCTスキャンが見られること。今回展示されている2体のミイラは、包帯をほどくことなくスキャンされ、解析した結果、土でできた人形が体内に埋め込まれていることがわかった。さらに、ミイラが亡くなったときの疾患や骨の欠損など、実に細かい解析結果に驚かされる。

前日に行われた内覧会では、本展オフィシャルナビゲーターであり、音声ガイドも務める俳優の西島秀俊さんが登場。ずらりと並ぶ棺を前に、「ちょっと怖いですね」と苦笑いする場面もありながら、本展の魅力を次のように語った。

「棺はもちろん、ツタンカーメン像も、普段は隠れているような裏側まで見ることができて、すごく面白いなと思いました。CTの展示も、ミイラのなかに人形が入っていたなんて、興味深い発見ですね」

また、コロナ禍で開催される本展については、「なかなかいまは旅行ができません。そんななか、ミステリアスで面白いエジプトが、ここ渋谷に集まっています。館内に入ったらまるで別世界。非日常の体験を味わっていただけたらと思うので、ぜひミイラたちにも会いに来てください」とアピールした。

西島さんが初挑戦したという音声ガイドを片手に、館内に足を踏み入れれば、まるで実際にエジプトに来たかのような体験が待ち受けている。これまでのエジプト展とは一線を画す、新たなエジプト考古学の歴史の世界を、さまざまな角度からご覧いただきたい。

取材・文/飯塚さき