11月もそろそろ終盤に突入、2011年も残りわずかである。さて年の瀬になるとなにかと行く機会が多くなるのがカラオケだ。実はわたくし、大のカラオケ好き。誰かと一緒に行くのはもちろん、数年前に「ひとりカラオケ」という禁断の蜜の味を知ってしまってからは、カップルや集団客を尻目に「えー人数はひとりで、3時間お願いします」とか平然と言ってのけるようになってしまった。いや、意外といいもんですよ、ひとりカラオケ。楽しむコツはとにかく歌にのめり込んで、決して我にかえらないこと。冷静になったとたんに「俺なにやってんだ……」と鬱モードに切り替わってしまうので。
でも世の中には自分みたいなカラオケ好き人種ばかりじゃなく、カラオケが苦手という人も多くいるだろう。忘年会の二次会のカラオケどうしよう、なに歌おう……そんな悩める皆様にぜひオススメしたいのが、RIP SLYMEのDVD『GOOD TIMES DVD ~The Best Live Performance 2002-2011~』だ。
RIP SLYME『GOOD TIMES DVD ~The Best Live Performance 2002-2011~』
3,900円
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本作は、2001年のメジャーデビュー曲『STEPPER'S DELIGHT』からの歴代のシングル曲を中心に、今年発表の最新アルバム『STAR』(傑作!!)のツアーの模様までを収録した、RIP SLYMEのライブ・アーカイブスDVDなのだけど、まあ徹頭徹尾、アゲてアゲて盛り上げまくる。フェスで彼らのステージを見たことがある人なら分かると思うけど、ファンはもちろんファン以外の一見さんも含め、とにかく目の前のオーディエンスを盛り上げることにかけてリップの右に出るものはいない、というのは言い過ぎかもだけど、とにかくそれぐらいライブにおけるリップの「持ってきかた」はすごい。
なんでそんなことが可能なのか。まずは当たり前だけど、彼らに並外れたパフォーマンスのスキルがあるからだ。↓はアルバム『JOURNEY』リリースツアーのオープニング、『GOOD DAY』のライブ動画。
いやあ、アガるわあ。彼らの楽曲にしては比較的ローテンポなナンバーにも関わらず、この盤石の盛り上げぶりである。オーディエンスがなにを求めてるのかを完璧に把握しつつ、自分たちのやりたいこともしっかりやる。リップのライブの尋常じゃない盛り上がりは、5人のパフォーマーとしての天性の才能と並々ならぬ努力の賜物だろう。これを素人のカラオケに活かそうとするのは正直難しい、というか無茶すぎる。プロの技をひと晩で盗もうなんて無謀もいいとこだ。でもご安心あれ。リップのライブが盛り上がる理由は5人のスキルだけではなく、楽曲そのものにもあるのだ。
リップの曲はどれも「広い」。カラオケでいちばん辛いのって、歌ってる人だけが楽しそうで、周りがノレずにしらけちゃうことだと思うんだけど、その点、リップの曲はどれも間口が広いというか、世代や性別を超えていろんな人が楽しめるように入り口が大きく作ってあるのだ。それは言い換えると、とことん「ポップ」だってことである。リズミカルなラップの醍醐味を保ちつつも、みんなで歌えるサビが用意されているところもそうだし、人なつっこい彼らのキャラクターが表れた歌詞もそう。ヒップホップという日本の音楽シーンの中では比較的ニッチなジャンルにもかかわらず、リップの曲は「盛り上がる」という点において、聴き手を選ばないのだ。だから誰が歌っても鉄板で盛り上がることができる。個人的な経験から言わせてもらうと、カラオケの場におけるリップの鉄板ぶりは特にすごい。どんなに音楽に疎い人だって、『楽園ベイベー』聴いて盛り上がらないわけないもんね(断言)!
カラオケ苦手派の人にとっては、「いきなりRIP SLYMEってハードル高すぎだろ」と思われるかもしれない。でも今年の年末のカラオケはぜひRIP SLYMEに挑戦してほしい。「え、●●さんってあんなに盛り上げ上手だったっけ?」と、驚きとともに賞賛されること間違いなしだ。まずは下記トレイラーを参考にレパートリー候補を選んだら、DVDをヘビロテして本番に臨んでみてはいかがだろうか。というか単純に、超ハイクオリティかつハッピーなライブ・パフォーマンス集としてもめちゃめちゃ素晴らしい内容なので、秋の夜長のDVD鑑賞にもぜひオススメしたい1枚である。