上田綺世(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

5月15日(土)の「Jリーグの日」にふさわしいカードがラインナップされた。鹿島アントラーズ×横浜F・マリノス。1993年5月15日・16日のJリーグ開幕を知るオリジナル10で29年間にわたりJ1の舞台で戦い続けるのは両クラブのみ。J2を知らないオリジナル10同士の対決である。

好調なチーム同士の激突でもある。鹿島は相馬直樹監督就任後は公式戦5勝3分の負けなし、2勝2分4敗・勝点8で15位だった順位を6勝3分4敗・勝点21の7位まで上げて来た。前からプレスをかけ全体をコンパクトに保つ守備を徹底し、勝点を積み重ねた。ザーゴ前監督時は8試合で12失点だったが、相馬監督就任後は5試合で1失点、4試合でクリーンシートをマーク。一方、得点は試合数が異なるが就任前と後はともに10得点である。

5月12日の名古屋グランパス戦は見事だった。パスを回して攻める鹿島に対して、堅守から縦に速い攻撃を狙う名古屋。だが、鹿島はスピーディな攻守の切り替えで相手に攻撃の形を作らせない。32分に鹿島がコーナーキックからラッキーな先制点を挙げると、名古屋も反撃に出るが素早い寄せでカウンターを不発にする。終盤には途中出場したFW上田綺世が立て続けに決定機を作ると、86分にゴール前でリズミカルにパスをつなぎ最後はゴール前へ走り込んだ左SB杉岡大暉がワンタッチから左足を振り抜き、勝負あり。しかも被シュート0本というJ1史上2度目の快挙をやってのけたのだ。

前節から6人先発を入れ替えながらの完勝に相馬監督も「チームがもう1段大きくなることを期待して、今日こういうチャレンジをした。勝つことでプラスに回っていく」と自信を深めた。

対する横浜FMはさらに上を行く。黒星は王者川崎フロンターレに喫した開幕戦のみ。その後公式戦16戦負けなし、消化ゲームが少ないながら8勝3分1敗・勝点27の3位につける。リーグ直近4試合で13得点と持ち前の攻撃力を発揮するとともに、3試合連続無失点と選手たちはハードワークを披露。アンジェ・ポステコグルー監督も「コンスタントに自分たちのサッカーをすることが大事。開幕戦を除き、順調に階段を上っている途中、これからも続けたい」と前を向く。

果たして好調オリジナル10対決を制すのは相性のいい鹿島か、日程の追い風を受ける横浜FMか。『明治安田生命J1リーグ』第14節・鹿島×横浜FMは5月15日(土)・茨城県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。チケットはJリーグチケットにて発売中。試合の模様はDAZNにて生配信。当日は昼12時より多くのJリーグ選手OBをゲストに迎えてのトーク番組「Jレジェンド大集合!」をJリーグ公式YouTubeチャンネルにてライブ配信。また「#Jリーグの日」をつけて、Jリーグの思い出の写真や動画やコロナ禍が終わったらスタジアムでしたいことなどSNS上で語り合う企画も。