発売中の書籍『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』は、栗山英樹氏がファイターズ監督および侍ジャパン監督として2012年から2023年の間に発した印象的な「言葉」を収録しています。
現在はファイターズのチーフ・ベースボール・オフィサーとして、日本野球のために活躍し続けている栗山監督は、その監督時代から「選手を育てる力」や「人の能力を見出す力」が話題になっていました。
組織づくり、選手の育成、人はどう生きるのか、仕事とどう向き合うのか――。栗山英樹氏がおよそ12年間の長い監督人生で語った、心に残る数々の名言からは、挑戦を続けた名監督の熱い「想い」が感じられます。
今回は【栗山英樹語録】から、「勝利への原動力」について語った言葉をご紹介します。
組織作りや選手育成、人としての生き方、仕事への向き合い方――。
数々の名言から、挑戦を続けた名監督の熱い「想い」と「勝ち続けるための思考」をぜひ読み取ってみてください。
栗山英樹の名語録5選「勝利への原動力」
(ブランクは)マイナス面がある。プラスにするにはどういう方法論があるのかを考えないといけない。
1990年限りで現役を引退。その後はテレビを中心にキャスターとして活動していた栗山監督に2011年、監督のオファーが届きました。コーチとしての経験がないこと、現場から長く離れていたことが不安材料だと考えられていましたが、就任1年目にいきなり成果を残しました。
選手全員が144試合すべての試合を勝つんだという甲子園決勝のように戦った。
『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より
プロ2年目の斎藤佑樹を開幕投手に立てた2012年。主将・田中賢介選手の故障もありましたが、チーム全員で優勝を勝ち取りました。リーグ優勝が決まった後に栗山監督は「開幕の時、選手には『家族の幸せのためにやってくれ』とお願いした」「ファンの皆さんも家族」と語っています。
何かヒントはないかな、って。野球の作戦なんて誰でも考えられる。人間は歴史、過去からしか学ぶことができない。
『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より
2度目のリーグ優勝を果たし、日本一も手にした2016年。読書好きの栗山監督は、車での移動中も『論語』などのCDを聞いていたといいます。「古典には、時代を超えて残る人間の真理のようなものが書かれている。だから、自分が困っていることの答えを探しにいくんです」
本当に厳しく。それが本当の愛情なので。そうすれば、必ずチームは勝つ。
『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より
2017年に不振に陥った中田翔選手を、栗山監督は次シーズンのキャプテンに指名。中田選手は2018年、25本塁打106打点と大活躍、見事に復活しました。だが、彼の「能力はすごく高い」と考える栗山監督は、「こんな数字の選手じゃない」と、あえて厳しい言葉をかけました。
“真っ平らにモノを考えていく”という作業が必要です。
『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より
2022年1月、侍ジャパンのメンバーに関して「選考の幅を〝アマチュアも含めて〞」考えていると明かしました。さらにメジャーリーグでプレーする日系選手を選ぶ可能性にも触れています。約1年後、侍ジャパンの切り込み隊長、ラーズ・ヌートバー選手が選ばれることになりました。