発売中の書籍『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』は、栗山英樹氏がファイターズ監督および侍ジャパン監督として2012年から2023年の間に発した印象的な「言葉」を収録しています。

現在はファイターズのチーフ・ベースボール・オフィサーとして、日本野球のために活躍し続けている栗山氏は、その監督時代から「選手を育てる力」や「人の能力を見出す力」が話題になっていました。

組織づくり、選手の育成、人はどう生きるのか、仕事とどう向き合うのか――。栗山英樹氏がおよそ12年間の長い監督人生で語った、心に残る数々の名言からは、挑戦を続けた名監督の熱い「想い」が感じられます。

今回も【栗山英樹語録】から、「夢を叶えるために必要なこと」について語った言葉をご紹介します。

数々の名言から、挑戦を続けた名監督の熱い「想い」と「勝ち続けるための思考」をぜひ読み取ってみてください。

栗山英樹の名語録5選「夢を叶えるために必要なこと」

野球を最初にやった時の楽しさが、アメリカの(メジャーの)あの空気にはありました。それが僕のベースにある。

『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より

29歳でユニフォームを脱いだ栗山監督だが、引退した後に、テレビ番組の企画としてアメリカの球団のトライアウト(入団テスト)を受けることになった。中学時代にポニーリーグのチームでプレーした頃、横田基地のグラウンドで見た風景が甦ったという。

いい? 中学生たち。僕はみんなに「夢を持ってくれ」とは言わないです。ただ、みんなが本当にやりたいことは必ず出てくる。その自分の思いだけは大切にしてほしい。

『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より

2023年10月、静岡県松崎町で行われた講演で栗山監督はこう語った。「人って、体の中にものすごい力強さや、ものすごい能力があって、だからそれを信じてあげてください。不安になる時があるかもしれないけど、みんなは必ずいろんなことができます」

涙するほどの思いがなければ、本当の意味で喜ぶことはできない。

『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より

昭和30年代生まれの栗山監督はよく、「男は人前で泣くな」と言われたという。だが「感動して流す涙は推進力なので、泣くこと自体が悪いわけではない。ただ、悔し涙はなしです。悔しい時はじっと我慢をして、『絶対に取り返してやる』と思わないと」と語る。

現場での指導を経験するというのは理想。自分が勉強してきたことを求めてくれて、活かしてくれる人がいたらうれしいし、それに120%応えたい気持ちはある。

『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より

2011年10月、当時テレビ番組でスポーツキャスターとして活躍していた栗山氏に、ファイターズが監督就任を打診、と報道された。プロ野球での指導者経験のない栗山氏は「求めてくれて活かしてくれる人がいたらうれしい」と、前向きな気持ちを語っている。

いつも同じことをしないと「あれ? 監督、何か違うな。何かあるのかな」と不安にさせる。選手はそういうのを見てるから。

『栗山英樹の思考 若者たちを世界一に導いた名監督の言葉』より

チームの調子がいい時も、なかなか波に乗れない時も、試合前の報道陣対応は、必ず同じ時間に受けていた。ベンチでの立ち方も、どんな時でも同じに見えるように意識していたという。そう戦うことで2012年、監督就任1年目にリーグ優勝を勝ち取った。