■朝ドラのヒロイン経験者が上位に

 

その山口智子と同じ『ゴーイングマイホーム』に出演している宮崎あおいは、4番目の注目度だった。ずっと映画を中心に活動しているので、民法の連ドラにレギュラー出演した作品となると、2002年の『ケータイ刑事銭形愛』までさかのぼらないとない。そういう意味では、こちらもめったにテレビドラマでは見られないプレミア感が、注目度につながったのかもしれない。

『ゴーイングマイホーム』での宮崎あおいは、良多の父の幼馴染みである治(西田敏行)の娘。6歳の息子をもつ母親役だ。最初は謎の女性という登場の仕方だったが、役場の職員として、長野の森でクーナを探すイベントの企画や運営をしている。宮崎あおいには、ちょっと浮世離れしたところと、妙に現実的なイメージが混ざっているので、役には合っているような気がする。いずれにしても長野側に宮崎あおいを配置したのは効いていて、作品の中の東京と長野のバランスはちょうどよく保たれている。

 

宮崎あおいといえば、大河ドラマの『篤姫』が有名だが、幅広い年齢層に顔を覚えられたのは、2006年の朝ドラ『純情きらり』だと思う。八丁味噌で有名な愛知県岡崎を舞台にした作品で、『篤姫』と同じく、このドラマでも宮崎あおいは少女時代から終焉までを演じていた。ちなみに、山口智子も女優デビューは1988年の朝ドラ『純ちゃんの応援歌』だった。この作品で唐沢寿明と共演して、のちに結婚している。

リサーチ結果では、CMでの露出が多い武井咲(13位)よりも、瀧本美織(7位)や多部未華子(8位)のほうが注目度が高かったが、この2人も『てっぱん』『つばさ』で朝ドラヒロインを経験している。やはりこうしたアンケートでは、全国的な知名度も影響するので、朝ドラ経験者は上位に入りやすいのかもしれない。
 

瀧本美織が出演する『パーフェクト・ブルー』は、月8枠らしい軽さもあって見どころは少なく、視聴率も9.0%、7.1%、9.2%、7.7%、7.9%、8.6%と初回から1ケタが続いている。主役に責任があるわけではないが、瀧本美織はもっと明るい役のほうが合っている気がする。

一方、『大奥~誕生~[有功・家光編]』に出演している多部未華子は、一皮むけたような凄みのある演技をみせている。11.6%、10.6%という微妙な視聴率でスタートし、3話で7.9%と大きく落ち込んでしまったが、この3話で家光(多部未華子)の過去を描きながら家光と有功(堺雅人)の気持ちが通じ合うシーンは、かなり見ごたえがあった。期待以上という意味では、このドラマの多部未華子が今期一番かもしれない。