金小札変り袖紺糸妻紅威丸胴具足 江戸時代 ミネアポリス美術館、エセル・モリソン・ヴァン・ダーリップ基金/所蔵 Photo:Minneapolis Institute of Art

7月10日(土)~9月20日(月・祝)、東京都江戸東京博物館1階特別展示室にて、特別展『大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―』が開催される。

『大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―』は、江戸の武家や商家の儀礼、祭などの年中行事をとりあげ、人びとの暮らしや人生における“ハレ”の場面や舞台をあつかった展覧会。江戸東京博物館所蔵のコレクションからよりすぐった品々や、国内各所からも展示品を集めるとともに、イギリスとアメリカから鎧が日本に里帰りする。

展示構成は、大きく分けて3つの章によって構成。1章「式正―武器と儀礼―」では、人生の節目で用いた表道具や調度などから「泰平の世」の武家の姿に迫る。戦乱が収束すると武芸よりも、家の序列やその秩序を維持するための儀礼が武家に求められるようになる。それにともない、身分を象徴する具足や刀剣も、戦場とは異なるさまざまな儀礼の場で用いられるようになった。

2章「年中行事―お稲荷さまと雛祭り―」では、江戸の大店鹿嶋屋東店伝来の雛道具や、迫力ある大型の祭道具が展示される。江戸の発展は、いくつもの店舗を構え商業活動を展開した、大店といわれる巨大な商人を生み出した。その豪壮な暮らしの中で用いられた調度の数々は、大名家のそれと比べても見劣りしない。年中行事として執り行われた祭から、江戸の商家の暮らしを紐解く。

そして3章「憧憬―彩りの道具と装い―」では、武家の女性たちにとって大きな役目であった「婚礼」と「子育て」に注目し、江戸の繁栄を影から支えた彼女たちの姿にフォーカスする。武家では、表の場に女性たちが出ることはあまりなかったが、婚礼を通して家と家の橋渡し役となり、世継ぎを育て上げることで、家の繁栄を支える役割を果たした。ここでは、細かな技巧が光る道具から武家の女性たちの知られざる姿に迫る。

“ハレ”という場面や舞台が明日への活力になるのは、江戸時代に限ることではなく、現代のわれわれの生活にも通じるところがある。そんな年中行事や人びとの人生のハイライトを見られるのが本展だ。

チケットは各プレイガイドにて現在発売中。
※本展では日時指定予約を推奨しております。

特別展『大江戸の華―武家の儀礼と商家の祭―』
東京都江戸東京博物館 7月10日(土)~9月20日(月・祝)
午前9時30分~午後5時30分
※入館は閉館の30分前まで
休館日:毎週月曜日(ただし7月26日、8月2・9・16・30日、9月20日は開館)、および8月10日(火)