前田大然(横浜F・マリノス) (c)J.LEAGUE

いよいよ勝点1差である。リーグ再開後20日間で6試合という強行軍を強いられながらも横浜F・マリノスは5勝1分と勝点を積み上げ、ついに川崎フロンターレをとらえようとしている。『東京五輪』による中断期間にチーム得点王・オナイウ阿道が新天地へ旅立ち、8月5日にケヴィン・マスカット新監督が合流したばかりだというのにこの快進撃には全く恐れ入る。

とくにここ3試合は計14得点と自慢の攻撃力が爆発。『明治安田生命J1リーグ』第24節・大分トリニータ戦で前田大然がハットトリックを決めれば、中断前まで2得点にとどまっていたレオ・セアラが3戦6発。攻撃の核を担うマルコス・ジュニオールも再開後は4ゴールとコンスタントに結果を残している。第26節・サガン鳥栖戦では途中出場した水沼宏太、仲川輝人がゴールを決めたのも明るいニュースである。

前節と言えば、前田だ。第26節は鳥栖のマンツーマンによるハイプレイに後手に回り、なかなかペースを掴めなかった。それでも41分、前田がワンチャンスを決めた。さらに前田は後半早々にも持ち前のスピードでPKを獲得。一発退場の数的有利とレオ・セアラの追加点を得て、4-0の快勝へ導いたのだった。殊勲の先制弾をマークしたFWは試合後、「前半、鳥栖のプレッシャーに苦しんだ中で1点取れたのが大きかった。後半は自分たちのサッカーができた」と胸を張った。

3試合勝利なし、前節今季初黒星を喫した川崎Fが足踏みしている中、一気に首位を奪取したい横浜FMだが、今節は最大の難敵が待っている。鹿島アントラーズだ。

リーグ戦の通算成績で22勝8分33敗と横浜FMは鹿島を苦手にする。現在4連敗中、前回の対戦は強烈に印象が残っていることだろう。

5月15日の第14節、11戦負けなしの横浜FMと7戦負けなしの鹿島が激突。好調同士の対決らしく前半は攻守の切り替えが早い展開の中、互いに持ち味を発揮し1-1。だが後半に入るとカウンターで横浜FMのハイラインの裏を突き、鹿島ペースとなる。前半40分から13分間で土居聖真がハットトリックを達成、横浜FMキラー・上田綺世もとどめのゴールを決めて5-3。横浜FMはスコア以上の完敗を喫したのだった。

鹿島は第25節・ヴィッセル神戸に0-1と3連勝を止められたが、続く清水エスパルス戦では上田の強烈ミドルを皮切りに神戸戦のうっ憤を晴らすゴールラッシュ。4-0で順位を5位に上げてきた。

果たして、第14節以来13戦負けなしの横浜FMが今度こそ難敵を撃破するのか、またもや鹿島が立ちはだかるのか。『明治安田J1』第27節・横浜FM×鹿島は8月28日(土)・日産スタジアムにてキックオフ。チケットは予定枚数終了。試合の模様はDAZNにて生中継。