「本は読むだけでは価値がありません。本からの学びを糧とし、自分の人生に役立てて初めて『読書』は価値あるものとなります。しかし実際には、読書したこと自体に満足している人が大半です。その結果、時間とお金を投資しているにも関わらず、本からの学びを自分の人生に活かせていないという状況が生まれています。そんな状況を解決できないか? というところから、STICKITの開発が始まりました」(株式会社Tapit 代表取締役社長・西川真央氏)

読みっぱなしにならない読書ができる

たくさんの学びを入力していくなかで脳に落とし込む

本からの学びを深く定着させるため、STICKITでは次の3つを意識している。

1、アウトプットすること
2、他の人から学ぶこと
3、繰り返すこと

「これらの3つのポイントに焦点を当てることで、本を読む人は、これまでの“学んだ気になるだけの読書”ではなく、“本当に学びを身につけられる読書”を実践できます」(西川氏)

本の内容をおぼろげに覚えている程度では、いざ学びを登録しようとしても不可能に近い。その1冊から何を吸収し、どのように自分の経験や知識と結びつけ、どうやって今後活用していこうか、と本から得たものを体系的に考えなくてはならない。

そのために本を何度も見直すことにもなるし、大事なところに線を引いたりしるしをつけながら読むようにもなる。本との向き合い方が、圧倒的に変わってくるのが分かる。従来のように、決して読みっぱなしにはならない。

また、自分以外のSTICKITのユーザーの学びを見ることで、自分には縁のなかったジャンルに興味を持ったり、または自分に近い興味・関心を持ったユーザーの読書を参考にしたりと、知識の幅が広がることもあるだろう。使えば使うほど、学習意欲がわいてくるのが分かる。

上昇志向のあるビジネスマンに使ってほしい

視覚化された学びは自分だけのコンテンツとなる

この画期的なサービスが生まれた裏側で、苦労はなかったのだろうか。

「これまで読書の履歴やレビューを管理できるWebサービスは多く存在しました。しかし、本だけではなくWeb上の記事や動画など多様なリソースから得た学びを体系的に整理し、復習するためのプラットフォームはありませんでした。そのため、使いやすい画面の設計と、学びを定着化させるための仕組みづくりに苦労しました」(西川氏)

運営メンバーがSTICKITを構想し始めたのは8月。それからリリースにいたるまでわずか4ヶ月。その間に2度ものユーザテストが行われ、たくさんのフィードバックを受けて、デザインや機能の大幅な修正を3回繰り返し、現在のSTICKITが誕生した。

対象としているのは、自分の成長に意欲的なビジネスマン。彼らは上昇志向が強く、人生をより豊かにするために、本から有益な知識を得て活用しようとする傾向が強くあるものの、実際には本を読んだだけで満足してしまっているというのが現状だと西川氏は分析する。「STICKITが『本からの学びを、自分に定着させられるサービス』を提供することで彼らの問題を解決したい」と西川氏。